灯編 育児室の外に
「セシリアが、ケインを外に出してみたらどうかって言ってるんだけど、どうかな?」
ビアンカに問い掛けられて、
「セシリアが大丈夫ってんなら大丈夫でしょ」
「そうだね。僕もそう思う」
躊躇うことなくそう応える。二人もセシリアのカメラを通してケインの様子は見てきたし、むしろ二人としてはもっと早く出してもいいんじゃないかと思っていたそうだ。セシリアはロボットであるがゆえに想定されるすべての事態がクリアできるかどうかが大事だっただけで。
こうして、まずケインが育児室から出ることになった。
ビアンカが跪いてケインの体の下にそっと手を差し入れても、逃げる様子がない。そしてビアンカに抱かれたケインは、いよいよ育児室の外に。
念のため、外には、ハートマン、グレイ、ドーベルマンMPMらが待機していたが、そのものものしさに逆にケインが怯えてしまう。
「大丈夫だよ、ケイン。みんな私達の仲間だから」
ビアンカはそう穏やかに声を掛けるものの、さすがにすぐには納得できないよな。そもそもまだ言葉も完全には理解できてないみたいだし。生後一ヶ月半程度なら当然だが。
それでも、ビアンカが抱き締めてくれてる分には安心できているらしく、暴れたりはしなかった。
「こんにちは、ケイン」
「よろしく」
あくまで距離を置いて、ケインにあまりストレスを掛けないように配慮して行った。
ケインは、
ちなみにこの時、
モニカと
今後も、
でもまあ、そう遠くないうちに慣れると思う。なにしろよく見ればビアンカと同じ姿をしているし、ハートマンやグレイともどこか似ているしな。
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