新編 悩ましい部分
で、
正直、地球人数人分の働きをしてくれているからな。機体の性能もそうだし、ロボットだからメンテナンスを受けるだけで、休息を取る必要もないし。
なお、今では、部品の一部には、アリニドラニ村で生産されている<鋼>が利用されている。ただの鋼だとどうしても錆が早くなるので、微量ではあるが河の泥などに含まれるクロムなどと合わせて<ステンレス鋼>へとコーネリアス号内で加工し、それを部品に使ってるんだ。
ただし、コーネリアス号内の余剰設備を解体して得た素材に比べると強度重量比などの面で数段劣るため、大きな負荷がかからない部分に補助的に使われているだけに過ぎないが。
コーネリアス号の余剰設備を解体して得られる素材も、ここまででかなり消費してしまった。現状の使い方では、空輸にどうしても必要なワイバーンの必要性が今後増してくる試算もあって、ドーベルマンMPMならあと二百体を作るのが精一杯らしい。残念ながらそれらの代替品となる素材についてはまだ発見できていない。一部の資源惑星でしか産出できない鉱物などを基に作られている上に、たとえ発見できたとしても加工に必要な設備が用意できないんだ。コーネリアス号に搭載されている施設では。
なので、いずれは、ここ惑星
ちなみに、現在の試算では、大きさをドーベルマンMPMに合わせるなら重量は三十パーセント増。重量の方を合わせるなら大きさは今の約半分になってしまうらしい。今のドーベルマンMPMで十代になったばかりの子供くらいの大きさしかないから、これ以上小さくなるとさすがに使い勝手も悪くなるだろうし、大きさの方を合わせ、重量増とそれに伴う運動性の低下については目を瞑るしかないだろうな。
なお、アリスシリーズとドライツェンシリーズについては、おそらく、ここで得られる素材だけでは再現は難しい。なので、ドーベルマンMPMを二百体作るのではなく、アリスシリーズとドライツェンシリーズを合わせて五十体作る方がいいのかもしれない。
せっかく、ドーベルマンMPMの性能も引き上げられてきたというのになあ。
この辺りも、悩ましい部分だ。
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