新編 労わる気持ち
新暦〇〇三四年二月二十二日
こうしてさらに、
<集落の機能の拡充のシミュレーション>
を目的に無茶な素人アイデアを実現するために動きつつ、
ただ、
『自分が離れるとまた彼がどこかに行ってしまう』
と考えたのかもしれない。
とは言え、さすがに三日目にはそれまでの感じに戻っていた。二日間、
しかし今日、また、俺がアカトキツユ村で予定している<透明な滑走路>建設の下見に行く準備をしてると、
「行くのか?」
問い掛けた俺には応えず、
さすがは我が息子。油断ならない。
そうして、再び、俺とシモーヌとエレクシアと
野生の動物でも、稀に、積極的に子を残そうとしない個体もいるという。
すまんな、
こんな風に互いの<望み>が衝突することは、生きていれば必ずある。好きになった相手に振り向いてもらえないとか選んでもらえないとかは、当たり前にあるだろう? それは紛れもない現実だ。すべてが自分の思い通りになることなんて、ない。
ないが、望みが叶わなかった時の痛み悲しみを労わる気持ちは、忘れたくない。
俺も、
なら、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます