ビアンカ編 自分の子供
そんな感じで、ビアンカの妊娠をきっかけにルコアもその辺りを気にするようにはなったと思われるものの、だからといって
急がず、焦らず、簡単に済まそうとせず、時間を掛けて丁寧にしたのが功を奏したってことだろうな。
やっぱり、
『人間を育てる』
ってのは、一朝一夕ではできないってことだよ。手っ取り早く済まそうとすれば、どこかに無理が出る歪みが出る。こっちにとって都合のいいように操ろうとすれば、反発も受ける。その当たり前のことを疎かにして楽をしようとするのは<甘え>だし、大人が甘えてれば子供もそれを当然のこととして真似る。
ビアンカは、それを実地で経験してくれた。
ならもう、<自分の子供>を迎えても心配はないと思う。俺達もフォローするし。
ビアンカ一人に押し付けたりしない。俺達全員で命を育むんだ。
<子育ての悩み>
なんて、ここじゃ無縁だよ。無縁にしていきたい。
ただ、その一方で……
「
深夜、これまでは
「ビアンカ、子供は一人で育てるんじゃない。僕も一緒だ」
そう言って
俺がやってたようなことを、
でも、ビアンカの言ってたことは、ちょっとニュアンスが違ったらしくてな。
「少佐……ありがとうございます。ただ、少佐がそういう部分をちゃんとしてくれることは、疑ってないんです。
もちろん、ルコアや
そうだな。確かに、<自分の子供>となると、違うよな。特に母親は、自分自身で生み出すわけだからな。その点、男親ってのは、<生みの苦しみ>を味わうでもなく、ある日、ポンと自分の前に子供がくるんだ。これは、母親が感じるものとは間違いなく違うだろう。
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