ビアンカ編 惚気
新暦〇〇三四年二月十六日
ビアンカの朝は早い。ほぼ夜明けと共に起きて、食事などの一日の準備を、モニカやテレジアと一緒に始める。
実は、元々はあまり朝に強かったわけじゃないらしいが、アラニーズとして生まれてからは、さすがに
今も週の半分はルコアと一緒に寝ているものの、実はルコアも、二時間おきくらいに目が覚めるそうで、それでビアンカや
ルコアやビアンカだけでなく、
『短時間の睡眠を複数回とる』
ってのが当然な体になってるようだ。そう言えば、イルカとかは、泳ぎ続けるために『脳を半分ずつ眠らせる』ってのができると聞いた。
生物の体というのは実によくできてるよ。
人間(地球人)の場合は、巨大で強固な<群れ>を作り、<安心して睡眠がとれる社会>を構築することで、ハードな仕事をこなす脳をしっかりと休ませるって形にしたらしいな。これはこれで、生存戦略の一種だと思う。
だから人間にとって<安心して睡眠がとれる社会>というのは重要で、それを揺るがせる存在は大きなリスクになるわけだ。
ゆえに俺は、人間の中にそういう<リスク>をなるべく作らないようにしたいんだよ。ただでさえ<外敵>が多いこの世界で、わざわざ<獅子身中の虫>を作る必要もないだろう? どれほど努力してもそういうのが生まれてくる可能性をゼロにできなくても、それは<努力をしない理由><努力を放棄していい理由>にはならない。
これは、睡眠だけじゃなく、
<惹かれ合う者同士の愛の時間>
を守るためでもある。
要するに、
『ビアンカと
って話だ。
怪我も完治し、ルコアがビクキアテグ村にすっかり馴染み、ビアンカだけじゃなく
で、週に三日くらいは、一晩中、<愛の家>の方で二人っきりの時間を過ごすと。
ルコアのこともあり、しばらく十分にイチャイチャできなかったビアンカはそれを取り戻そうとするかのように
ルコアの前ではさすがに自重していても、
よきかなよきかな。
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