麗編 認められるべき
新暦〇〇三三年十二月三日。
が、
まあ、さすがにそんないきなりは変わらないか。初潮を迎えても実際に子供を生むようになるのはさらに二~三年後というのが多いみたいだし、<成熟した雌のフェロモン>も十分に出ていないんだろう。
それでも、『まったく変わらず』というのもどうなんだろうと思わなくもない。
だから正直、予感めいたものはこの時にはあった。
『
と。
自分に縁がなかった相手のことをいつまでも引きずるというのは、野生に生きる者としてどうなんだろうと思わなくもないものの、同性同士で番ったりそもそも繁殖に興味を示さなかったりで、生涯、子を生すことのない個体というのも実際には一定の割合で存在するみたいだから、そういう意味では、たまたま
だから俺は、成り行きに任せることにしている。親だからといって子供に過度に干渉はしない。
『孫の顔を見せろ』
などとは言いたくもないしな。まあ、俺の場合はもう十分に見たというのもあるが……
もちろんシモーヌも、干渉はしない。彼女の場合は、<惑星探査チームとしての心得>でもあるそうだ。
『調査の段階で過度に原住生物に干渉しないことで正確な生態を見極める』
のが大事だということで。
ただ、<
さりとて、先にも言ったように、
『誰を好きになってもいい』
のと同時に、
『相手を受け入れるかどうかは本人が決める』
というのも尊重したいんだ。
それに
そんな
本当は好きでもない、好きになれそうにないのは分かっていたにも拘らず受け入れて、でも、後になって耐えられなくなって結局は破綻するという事例も、俺の身近でもあった。どちらも同級生で、<友人>と呼べるほど親しかったわけでもないが普通に話くらいはするやつらで、男の方から熱心に何度もアプローチを掛けて女が折れる形で付き合い始めて結婚までしたにも拘わらずやがて決定的に噛み合わなくなって大喧嘩の末に別れたって話がな。
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