メイガス編 施策
メイガスに対しては、
今は、メイガスの方も、自身が得た情報を整理する時間が必要だ。
「辛いよね。<母親>としても……」
同じ<子を持つ母親>としてそう感じるのか、いつもの感じでテーブルを囲んでお茶にしてる時、
人間(地球人)とほぼ変わらない姿の
ああ……素晴らしいな。この光景が、ここにできるであろう<人間社会>を暗示してくれているなら、何よりだと思う。
けれど今はまだ、<地球人としてのメンタリティ>がベースになっている者にとっては、様々な心理的ハードルがあるのも事実だろう。
『郷に入っては郷に従え!』
と言うのは勝手だが、俺自身、自分に対してはそう言い聞かせてきたのは事実だが、だからといって誰もがすぐにそう割り切れるわけじゃない。その現実を忘れないようにも自分自身に言い聞かせる。
それでも、この集落だけでも、いろんな者がいる。ただの地球人の俺に、パパニアンの血を半分受け継ぎつつも地球人の姿を持つ
加えて、不定形生物由来の透明な体を持つシモーヌだ。
こんなバリエーション豊富なここで、
<それぞれが持つ個別の事情>
を考慮しない施策が成り立つか?
地球ではかつて、権力を握った者が、自分に都合のいいように、自分の身内や仲間やそれに連なる者、同調する者、協調する者のみに都合のいいように施策を行うのが普通で、それ以外は考慮されないというのが一般的だったという。
だがそうなると当然、埒外とされた者達の反発を招き、争いの火種となった。
なるほど、リソースの限られた世界では、<リソースの集中と分配>は必須だっただろう。また、自分達が生きる世界を成り立たせている<道理>についても理解が十分じゃなく、ゆえに思慮が及ばなかったのも事実だろうから、一部の者だけを優遇したことを、後の世の人間である俺があれこれ言うのは、典型的な<後出しじゃんけん>だと思う。だからそれを批難するつもりはない。
ただ、様々なことが分かってしまった以上、知ってしまった以上、知らなかった時のやり方をそのまま踏襲するのは、単なる<甘え>であり<怠惰>だと俺は思うんだ。
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