メイガス編 マイナス要因
等々、メイガスが、新たに得た<情報>を基にこれからの自分の在り方を思案している間、俺の方も、自分が何をするべきか考えなきゃな。
「ビアンカ。メイガスがどんな決断をしても、俺はそれを尊重する。だから心構えは作っておいてほしい」
タブレットを通じて、ビアンカにそう告げる。すると彼女も、
「もちろん、私もそのつもりです。その上で、ルコアが『今の自分に生まれて良かった』って思えるように力になる……!」
はっきりとそう言ってくれた。
「もちろん、僕もそのつもりだ」
と、
「私は最初っからそのつもりだよ。私も、ここじゃ<異端>だった。アクシーズなのに『翼はない』『空も飛べない』、だったからね。私のこの体は、ここじゃある意味、<異常>なんだ。だけど、私は、今の自分に生まれて幸せだと思ってる。お父さんやお母さんが、今の私を私のままで受け止めてくれたから。
私は、自分がお父さんやお母さんにしてもらったことを、そのまま、これから加わる家族や仲間にするだけだ」
「ああ……ありがとう……」
『私は、自分がお父さんやお母さんにしてもらったことを、そのまま、これから加わる家族や仲間にするだけだ』
自分のしてきたことが間違いじゃなかったと言ってもらえた気がする。
人間(地球人)は、えてして、自分以外の誰かが配慮してもらえたり気遣ってもらえることを嫌う傾向があるらしい。<個別の事情>に配慮した施策とかが提案されると、
『特権だ!』
『贔屓だ!』
的な反発が出るのがまさにそれだろう。
とにかく、自分より他人が配慮される気遣ってもらえることが許せないということだな。
だが、そんな風に他人を妬んでて、配慮してもらえる、気遣ってもらえるようになると思うんだろうか?
むしろ、そんな奴とは関わりたくないと思ってしまうぞ。俺は。困っていても積極的に助けたいとも思わない。余力があれば助けてもいいが、優先順位はおそらく最低に近いだろう。
ここでもし、それっぽいことを言い出すのがいたら、正直、
『隔離したい』
と思ってしまうだろうな。
明らかに自分を優先させようとして仲間に迷惑掛けるだろう。そういう奴は。
だとしたらもう、衣食住必要最低限のものだけ確保できるようにして、ドーベルマンMPMの一機でも(余裕があればアリスとドライツェンも)与えて、後は一人で勝手に生きててもらいたい。
つまり、
『他人からそう思われる』
ということだ。これは、生きる上において非常にマイナス要因なんじゃないか?
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