当編 残念な結果
この時、メイガスを俺達の集落に誘導するのは、ドローンでもよかったのかもしれない。その方が、
だが、俺はこの時、本当に何気なく、ドーベルマンDK-aを迎えに寄越した方が、いろいろ説明が省けるような気がしてしまったんだ。彼女が知る<世界>とは、様々な部分で違っていることが感覚的に伝わるんじゃないかと。
メイトギアもいながら、彼女の感覚からすれば非常に旧式で簡素なロボットも運用されている現状が。
加えて、メイガス自身、
その一方で、今回、
『信じてた雌が我が子を得体のしれない生物に渡してしまう』
などという有り得ない事態に至ったんだからな。
とは言え、『パートナーや子を喪う』なんて事態そのものが野生に生きるクロコディアにとっては特別なことじゃないのも事実だし、
大丈夫。
そんなわけで、
彼女は、<地球人、メイガス・ドルセント>としての人生を捨て、クロコディアとして生きることを選んだというのに、いまさら人間と関わることになるわけで、それについても果たしてどうなるのか……
さらには、ルコアとのことだ。メイガス自身、当然のことながら、自分の娘がサーペンティアンとしてこの世界に生まれ出ている事実を知らない。それどころか、もしかすると、シモーヌやビアンカや
<ルコアを生まなかった世界線のメイガス>
である可能性さえある。
まあ、その場合であれば、外見も完全に変わってしまっていることだし、<同姓同名の別人>ってことを貫けば逆に問題は生じないかもしれない。クロコディア以外の何ものでもない外見に生まれついたことが逆に幸いする可能性もある。
が、問題は、彼女が本当に<ルコアの母親>だった場合だ。その事実を隠して別人としてルコアと接するか、母親であることを明かすか……
状況がさらに複雑になってきたなあ……
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