保編 轟
「
突然、
「待て、手出しはするな。少し、様子を見よう」
俺は、何となく予感めいたものがあったことで、彼女にそう告げる。
「……はい…」
メイフェアは少々不満気だが、俺はむしろ逆に落ち着いたよ。
そんな俺がタブレット越しに見守る中、
理不尽に突っかかってきた
まあたぶん、<両方>なんだろうな。
体格的には、
が、<技>に関して言えば、
鞭のようにしなる腕を取って、関節を極めようとした。
なのに、極まらない。
自ら腕を捩じることで極まりきらないようにした上で、強引に力任せに振り回す。この辺りは元々の体格差が大きいか。
まるで人形のように
いやはや、やはりさすがだな。この辺りのセンスは
しかし、宙に浮いた不安定な体勢ながら身を捻って何とか直撃は免れた
取ったのだが、
体勢を立て直そうとしている
「がっ……!?」
一瞬、状況が掴めなかったようで棒立ちになったところにさらに蹴り。
いわゆる<視界の外から突然打ち込まれるフック系のパンチ>で横からの攻撃に意識を向けさせ、そこへ真っ直ぐ打ち出した<前蹴り>ってところか。
たぶん、
モロに食らって、大きく吹っ飛ぶ。
普段は仲間と喧嘩することはまずない
「があっっ!!」
だが、そんな
それがいつものパターンだ。なのに、この時の姿は……
「苛立ってるのか……」
俺も思わず呟いていたのだった。
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