未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます（Ver.02）

保編 戦う力

新暦〇〇三十一年三月二十七日。

まあそんな感じで改めてに保（たもつ）と翠（みどり）と昴（すばる）の話に戻ると、基本的には轟（とどろき）にしか関心がないと言うか、＜強さ＞についてご執心で、雌に対しては関心も示さなかった昴（すばる）が、翠（みどり）にはおとなしく毛繕いをされていた。

それまでは、昴（すばる）自身がいささか＜乱暴者＞というイメージが付きまとうタイプだったこともあってか、雌からも少々距離を置かれてる面も少なからずあったと思う。

ボスである誉（ほまれ）がまず、全体的に仲間を気遣う＜調整型・調和型のボス＞だというのも影響しているんだろう。ただの力自慢は好かれない傾向にあるようだ。

その一方で、轟（とどろき）や昴（すばる）のようなタイプを受け入れたのは、調整型・調和型のボスである誉（ほまれ）自身が、

『群れの中では『優しい』でも通用するが、対外的にはそれだけでは通用しない』

ことを承知してるらしく、轟（とどろき）や昴（すばる）のような力自慢も必要だと考えてるんだとメイフェアは報告してる。

俺も、それはなるほどと思うよ。

そもそも、＜調整役＞はボスが行う必要は必ずしもないと俺も感じてる。ボスはとにかく強く、そのボスを支える、ナンバー2とかナンバー3とかに調整型のがいればそれはそれで成立するんじゃないかな。

誉（ほまれ）が自分でやるからそんなに目立たないが、彼のパートナーである碧（あお）が非常に優れた調整役であり、雄の序列では実質ナンバー2は轟（とどろき）でありつつ、群れそのものの影響力という意味でのナンバー2は、碧（あお）だったりする。

轟（とどろき）でさえ、碧（あお）には頭が上がらず、疲れた時には彼女に慰めてもらったりもしているようだ。群れに合流したばかりの頃には碧（あお）に横恋慕してアピールまでしてた轟（とどろき）だが、正直、今でも碧（あお）のことは諦めきれてないのかもと思える部分もある。もっとも、轟（とどろき）にもちゃんとパートナーはいて、子供も既にいる。

現れたばかりの頃は＜ただの乱暴者＞という印象もあった轟（とどろき）が今では強さと器を兼ね備えつつあるんだ。

誉（ほまれ）はそれを狙っていたのかもしれない。だとしたら我が息子ながら立派だと思う。まさに＜ボスの器＞だよ。たとえそれが、メイフェアと碧（あお）に支えられてのことだとしても。

人間社会には、

『女に守られてるとか、情けない』

などと言うのもいたが、いやいや、

『それぞれが自分にできることをやったら結果的にそうなった』

なら、俺はぜんぜん、情けないとか思わないね。

だいたい、俺なんかこの群れでは、＜戦闘力＞という意味だとシモーヌに次いで弱いからな。外敵との戦いでも、女性の姿をしたロボットであるエレクシア達に頼り切りだし、刃（じん）や伏（ふく）や鷹（よう）にも散々守ってもらってきた。

確かに＜男のプライド＞という面では思うことがないわけでもなかったものの、刃（じん）と出逢った時や伏（ふく）と出逢った時にいくらかやり合ってみて、力の差を思い知ったんだ。