保編 保
これからしばらくの間、時間をさかのぼり、
新暦〇〇三十一年三月十五日。
パパニアンの雄は、基本的に五歳から十歳までの間くらいに生まれた群れを巣立って別の群れに合流することが多いんだが、だからと言って全ての雄がそうかと言うと、実は必ずしもそうじゃないらしい。
中にはそのまま生まれた群れに居座る雄もいるようだ。
もう実年齢で二十歳を超えた(老化抑制処置を受けてなかった頃の人間で言うと三十代半ばくらい?)というのに、
それが果たして好ましいことなのかどうかは、解釈が分かれるところだろう。
『厳しくするべきだ!』
という意見もあるとは思う。
しかし、それぞれの選択が吉と出るか凶と出るかは、結果が出てみないと結局は分からない。そして、
だから俺は口出ししない。悪い結果が出たとしても、その結果を受け止めるようにとは心掛けてる。
……とは言いつつ、親心としては、もし頼られたら力を貸さずにいられないけどな。
が、
自分にできないことは無理をせず、できる者に頼る。
『他人を頼るのは、自分の価値を下げること』
みたいに考えて自分にはできもしないことをやれるフリする……なんてことがない
同時に、
『自分にできることを、ただ楽をしたいだけで他人任せにする』
こともないからな。
その
それに
だから、<将来のボス候補の一人>でもあるんだ。
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