來編 ヤっちゃえヤっちゃえ!!
人間(地球人)はついつい、
『結婚こそがゴール』
と思ってしまいがちな生き物らしい。
だが、俺は知ってる。
結婚はあくまで、
<新しい人間関係のスタートライン>
だということを。
だから、
『結婚さえしてしまえばこっちのものだ』
的に猫を被っていて、それで結婚したからといって油断して本性を曝け出すと、
『そんな人だとは思わなかった!』
みたいな話になるんだろうな。
俺はそれが嫌だから、そもそも猫を被るようなことはしなかった。人間社会にいた時もだ。
それでも、
『思ってたのと違った』
異口同音にそんなことを言われてフられるのがいつものパターンだったよ。
意図的に自分を粉飾してなくてもそれなんだから、思いっきり粉飾してたりしたら、そりゃ、
『騙された!』
と相手も思うだろう。男女問わず。
その点では、
それは、
彼は素のままそのままで<イケメン>なんだ。弱いところもありつつも、そういう自分とちゃんと向き合えるし、素のままのビアンカを愛してくれる。見せ掛けだけの<いい人>じゃない。
これが、上辺だけ女性に優しいフリをしているだけの男なら、俺は
決して彼の見た目だけに惹かれているわけじゃないのは、俺にも分かる。
だからビアンカ、容赦なく襲え! ビアンカの方から
性的に。
と言えたらどんなにか簡単か。
が、男の俺がそれを言うのはいろいろアレだろうが、
『遠慮なんか要らないよ! ヤっちゃえヤっちゃえ!!』
ってことなんだ。
上辺だけの付き合いじゃないから、
ぐるぐるとビアンカの頭の中で様々な感情や気持ちや葛藤が渦巻いているのが見えるようだったと、後に
そしてたっぷり、三十分ほど思い悩んだ果てに、
「……イオ方面軍第六十六空間騎兵隊所属、ビアンカ・ラッセ! 行きます……っ!」
さすがは軍人。時間は掛かったが決断する時は決断するんだな。
そうして家に戻ると、
「!?」
ビアンカは、一瞬、それに怯んだが、すかさず
「
体格的には自分より一回り以上大きい
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