來編 獣の都合
後はビアンカ自身の問題だ。
とは言っても、人間の気持ちや感情というのはそう簡単なものじゃない。
<透明な体>については
『身も心も結ばれる』ということを諦められれば、『心で結ばれてる』で納得できれば、たぶん、大丈夫だろう。
が、理性ではそう思えても、感情が納得してくれないんだろうな。
「ビアンカ……」
『ヤれる時にヤる! 機会は逃さない! 機会を逃せば次はないかもしれない!』
それが
そして、ビアンカも、何度も言うが、頭では、理性では、そういうものだと分かってる。分かってるから四人で一緒に暮らすことも受け入れられた。
だけど、まだ、越えられないハードルがあった。
「……っ!」
ベロリと長い舌で
「ビアンカっ!?」
声を上げる
「
「分かってる…! ここは任せて!
「……」
人間はこういう時、ビアンカの気持ちを考えない
だが、これまでにも何度もしつこく言ってきたことだが、それは所詮、人間の間でだけ通用する考え方でしかない。ここで生きる上では、少なくとも今はそれは通じない。
<人間の社会>が築かれ、人間だけで生きていけるならなるほどそうなっていくかもしれないものの、少なくとも今はそれは通じないんだ。
そして、
『どうせ<獣>じゃねーか! 獣の都合に人間が合わせる必要とかねーだろ!!』
と言うのもいるだろうが、残念ながらそういうのは、たぶん、ここでは生きていけない。宇宙船にでも閉じこもって完全に一人で生きるならそれもアリかもしれないが。
俺達は、ここで
それが納得できないなら、しなくていい。
だが、俺達の決断は覆せない。
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