來編 相反する心
ビアンカは、ずっと以前から
一人の男性として。
だから、当然のように、
『彼と結ばれたい』
という欲求もある。
けれど、
が、下世話な話ではあるが、解剖学的にと言うか、学術的な観点から考えると、
『できないことはない』
んだよ。
これまでにも何度も触れてきたが、
人間にも見える部分の脊柱の下部がそのままクモや昆虫に似た本体の脊柱に、加えて血管と消化器官が繋がってるだけで、人体を構成する臓器もすべて再現されてる。
その多くがある種の休眠状態にあるだけで、または補助的な機能を発揮しているだけで、まぎれもなく<人の体>なんだよ。
そしてこれは、ここまで調べた限りでは、
はっきり言おう。つまり、
『外性器だって完全に再現されてるんだから、あとは相手次第でヤろうと思えばヤれる』
ってことだ。
が、<女心>というのはそんな単純なものでもないことは、俺も知ってる。
たとえ
この気持ちも、想像できる人には想像できるんじゃないかな。
『好きだからこそ今の自分の体を見られたくない』
という気持ち。
加えて、今の自分では、いくら望んでも愛する人の子を宿すことができないのが分かってしまうという辛さ。
『別にセックスだけが愛の形じゃないだろう?』
という考え方があることは分かってる。それはビアンカも承知してる。
けど、それも所詮は個々人の考え方でしかない。
ビアンカは、
その相反する感情の間で、彼女は揺れてるそうだ。
とは言え、こればっかりは俺にもどうにもできない。
はっきり言えば、俺ならビアンカだって抱ける。ぱっと見じゃむしろビアンカよりも人間離れしてた
実はその辺り、
「ぶっちゃけ、男として今のビアンカはイケるか?」
新たにハーレムを築くに当って、男二人だけでそこまで踏み込んだ話もしてる。
すると
「彼女以外だと無理だけど、ビアンカなら僕は大丈夫だよ」
って言ってた。
そうだビアンカ。後はビアンカ自身の問題だよ。
彼女が愛した男は、今の彼女自身にこそ相応しい<魂のイケメン>だ。
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