來編 備え
法解釈の問題は余談ではあるものの、現状、ビアンカについては医療の面で不利な部分があるのは否めない。
それを何とか補うために、アリスシリーズには外科手術も行えるだけの繊細さも持たせている。
加えて、
「医師免許も持っているよ。内科・外科共に、数年間、医師として勤務経験もある」
とのことだった。
いずれ軍に入るのは既定路線だったものの、それに備えた経験を積むという建前で、医療関係の勉強もしたそうだ。
「前線で負傷した仲間を救える人間でありたい。という形で親族を説得したんだ」
この辺りは、
ただ、
「そのまま、医師として務めたかったというのは本音としてある」
本当の本心としては、<保育士>になりたかったというのもあるそうだが、第二希望として医師の道も選択肢にはあったそうだ。しかし、親族がそれを認めてくれなくて、結果として軍に入ることになったとか。
あの頃でもそういうのはあったんだなあ……
俺が人間社会にいた頃でもたまに聞く話ではあったけどな。
で、それはさておき、<人間・
が、医師としての知識や経験は非常に有用だ。
だから、
アリスシリーズがあれば
今日も食事の後で一時間ほどトレーニングをする予定だ。
しかも、
「アリスも
「自分の体を理解するのは軍人として必要なことだと思います。自分自身で応急処置をすることもあるでしょうから」
ビアンカもそう言った。
皆、ここで生きることについてちゃんと理解してくれてると思う。
いざという時のこともちゃんと考えて備えてるからこそ、穏やかに生きられるんだ。
人生には何が起こるか分からないからな。
想定できることは想定して、それに備えておいて損はないさ。
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