翔編 医療体制
他にどうしていいか分からなかったとはいえ、俺は
「……」
しかし
一方、
それを、ドラゼが受け止めてくれる。
同時に、アリゼが自身に備えられたポケットから救急セットを取り出し、応急処置を始めてくれた。
ちなみに、
物語的にはこういう時、心配して駆けつけてくれれば盛り上がるかもしれないものの、自然というのはドライだからな。人間の都合に合わせて盛り上げてなどくれない。俺もそれは分かってるから彼女を責めるつもりは毛頭ない。
それに、
ただ、そんな風に他の雌のところに行っていても、
そんな
そうしてアリゼとドラゼが応急処置をしてくれているところに、エレクシアが駆けつけてくれた。
「エレクシア!
「承知しました」
彼女はそう応えた時には
しかも、その場でできる処置はアリゼとドラゼが済ましてくれていたから、エレクシアは腰につけていたポシェットからハーネスを取り出し、
ほんの数十秒でそれらを済ませて、エレクシアはすぐさま
俺とイレーネも、Uターンして引き返した。
こうして、俺が家に戻った時にはすでにエレクシアが
「左腿に一発、左脇腹に二発、銃弾を受けてた。処置が遅れれば危険な状態だったけど、大丈夫。命に別状はないから」
シモーヌの説明に、俺はその場にヘナヘナと座り込んでしまった。
「良かった……本当に……」
新暦〇〇三十一年六月二十四日。
それから五日間、
つくづく、最新医療の一つである治療カプセルがあったことで助かったよ。
しかし、コーネリアス号にも備え付けられているから当分は大丈夫なはずだが、それでもいずれは治療用ナノマシンのストックも尽き、今の治療は受けられなくなるだろう。それに備えて医療体制も整えないといけないなと、しみじみ思ったのだった。
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