翔編 あなたとの子供も
シモーヌが俺と結婚してくれたことを、俺は感謝している。
しかも彼女は、
「あなたとの子供も欲しいですね」
とも言ってくれた。孫どころか曾孫もいつ生まれてもおかしくない中でまた子供とか、ほんとに俺も懲りないな。でも、<コーネリアス号乗員、
それに今ならまだ十分、子供が大きくなるまでは俺の寿命ももつだろう。
ただ、俺とシモーヌの子供となると、それはもう、
しかし、俺やシモーヌにはそれがない。メイトギアや文明の利器の助けがなきゃ、一週間と生き延びられないであろう脆弱な人間だ。
とは言え、俺とシモーヌの間で生まれる子だけなら、その子が、たとえば
だからそんなに心配はしなくていいかもしれない。第一世代が生きている間だけエレクシア達の助けが得られればと考えれば、問題なさそうだ。アリスシリーズとドライツェンシリーズも生産を始めてるしな。
新暦〇〇三十一年一月五日。
そうこうしている間にも日は過ぎて、新しい集落候補地には木材を保管しておく倉庫も完成。同時に、アリスシリーズの弐号機とドライツェンシリーズの弐号機も完成。メイフェアとイレーネがメンテナンスに行った時に持って帰ってきてもらった。
「おーっ! アリニとドラニだね!」
ローバーから下りてきた弐号機を見るなり、
「安直と言えば安直だが、うん、まあいいだろう」
ということで、<アリニ>と<ドラニ>と命名する。
「よろしくおねがいします」
「よろしくお願いします」
アリニとドラニが挨拶する。アリス初号機とドライツェン初号機用の<仮想AI>に蓄積されたデータをベースに組まれたアリニとドラニ用の<仮想AI>を
アリゼとドラゼよりは若干、振る舞いが人間に近くなったかな。
なんにせよ、二機には早速、新しい集落候補地に赴いてもらう。
「じゃあ、行こうか」
コーネリアス号から来たばかりで休みなしだが、ロボットなのでその辺りは問題ない。取り敢えずアリニとドラニには、材木用の木の伐採と、集落の開発を任せよう。
「はい」
「了解しました」
無口なドラゼと違ってドラニは普通にしゃべってくれるな。まあそれでもやや無骨な印象はある。
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