翔編 二番目の子

とにかくすいの話をしよう。


すいは、マンティアンのじんの一人目の子であるめいに対するじょうと同じく、上の子に比べると若干おとなしい印象がある。


これは、一人目の子の時はやや気が張ってスパルタになってしまうものの、二人目ともなると若干余裕が出てきて、一人目の時よりは緩くなるからだろうか? 実際、傍から様子を見ていても、しょうに対する厳しさよりはいく分かマシだったような印象はあったんだ。その影響かもしれない。


あと、しょうの時は、向こう岸までがようの行動範囲で、そっちにしょうを連れて行ったことでヒト蜘蛛アラクネに襲われ、危うく命を落としそうになったこともあるのに対して、向こう岸には行かなくなってから生まれたすいは、そこまでの目には遭ったことがない。


しかも、ボクサー竜ボクサー駿しゅんが俺達と、友好的とまでは言えなくても敵対しなくなったこともあってか、ようも、駿しゅん達を襲うことは基本的にはなかった。まあこれは、ドーベルマンDK-aろく号機が駿しゅん達を警護していたからというのもあるかもしれないが。


だからか、すいボクサー竜ボクサーを襲うことはあまりしない。基本的にはそれこそ鳥やトカゲっぽい小動物、ブタ竜ブタが主な獲物だった。それで余計におとなしいような印象があるのかもしれない。


とは言え、あくまで『しょうと比べれば』という話であって、がくが俺達の<家>に近付いてきた時にはしょうと共に猛然とがくに立ち向かったりもした。


加えて、めいの息子のえいに至っては、マンティアンとしての生き方を捨てて俺達のところに合流してしまったりしたから、それを思えば十分にアクシーズの範疇に収まっているとも言えるか。


ちなみに、<息子>と言えばしょうの息子のりょうも今のところはアクシーズとしてまっとうな生き方をしてるみたいだから、えいの場合は本当にたまたまだったんだろうな。ほまれの子供達や、そうかいりんの子供達もちゃんとその種としての生き方をしてるし。


そう言えばしんも出戻ったか。まあこれもどちらかと言えば単に<巣>を俺達の家の脇の小屋にしただけで、別に世話になろうとかしてるわけじゃないが。狩りも勝手にしてるし。


しんの子供のこうかんは、レオンとしてではなく父親であるげんと同じくパルディアとしての生き方を選んだ。しんが帰ってきてしまったのは、密林の中で樹の上で寝るよりも平らな場所の方が落ち着くという可能性があるのか。本来は草原で生きるライオン人間レオンだけに。


まあ、こう考えても特に二番目(すいの場合は本当は三番目だが)の子だからとかいうのはそれほど関係ない…か?


でもなあ、双子だったほまれひかりの次に生まれたほむらあらた完全に家に居ついてるし、三つ子だったそうかいしんの次に生まれたさいりんは、りんは今では草原に戻ってレオンとしての生き方をしてると言っても一時期はあらたと番ってやっぱりここに居ついてたし、さいに至っては完全にほむらと家でラブラブしてるだけだからなあ。


はてさて、どうなんだろうな。


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