走・凱編 群れ

ビアンカを保護し、めいせいも無事だったことで、取り敢えずマンティアンの生活ぶりについてはこれで一区切りにしよう。


と言っても、果たして彼女達について上手く触れられたかどうかは、正直、自信がない。なにしろ本当にマンティアンの日常は淡白で、殺伐とした戦いの毎日でありながらある意味では平坦で平板なんだ。抑揚がないというか。


それに比べると、そうかいの暮らしぶりは感情豊かだよな。ほまれ達にも劣らないくらい、見た目にも楽しそうなんだ。


そうかいは、一つの群れを形成しつつそれぞれ自身を頂点としたグループを作り、楽しげに暮らしてる。


普通のレオンとはかなり違った暮らしぶりではあるものの、それはそれで上手くいってるようだから、俺がとやかく言うことじゃないだろう。




現在のそうかいの群れについてまず説明しておこうと思う。


そうのグループは、


けいそうの一人目のパートナー。


とうそうけいの息子。


さんそうけいの娘。


しゃくそうの二人目のパートナー。


ひょうそうしゃくの息子。


らんそうしゃくの娘。


たくそうの三人目のパートナー。


の八人。


かいのグループは、


せんかいの一人目のパートナー。


えんかいせんの息子。俺にとっては初孫だ。


けんかいせんの娘。


おんかいの二人目のパートナー。


くんかいおんの息子。


まいかいの三人目のパートナー。


ぼうかいまいの娘。


ういかいまいの娘。


ほんかいの四人目のパートナー。


こんかいほんの息子。


の十一人。


双方合わせて十九人の、レオンの群れとしては大所帯だ。普通は別々の群れになるからな。人数的にはほまれの群れにも匹敵する。


一方、コーネリアス号を挟んで反対側を拠点とした縄張りを持つりんの方は、現在、ゆうをパートナーとし、ゆうとの間にあんほうろうを生して五人の群れで暮らしてる。


ちなみにりんは、他の雌がゆうに近付くことを許さない。これは、俺のところであらたをパートナーとして暮らしていたことが影響している可能性がある。あらたが他の雌には目もくれなかったからな。今でこそうららのことが気に入ってるようだが、それも結局、りんと別れたからというのもありそうだ。うらら以外の雌には興味がなさそうだし。


あと、ゆうは実は、そうのグループの一員だった若い雄で、オオカミ竜オオカミの群れの襲撃を受けた時に死んだ前のボスの子だ。ライオンに近い生態を持つレオンはボス交代時に<子殺し>を行うこともあるが、そうかいの場合は、人間である俺の子として育ったことに加え、ボスに収まった時の年齢が若かったからか、自分よりも幼かったゆうを含むボスの子達を殺すことはなかった。


今では前のボスの子だった雄はすべて巣立ち、その一人がりんと結ばれたということだな。


ゆうは、新しいボスになったそうかいを見倣ってか、りんに優しかった。それでりんの方も気に入ったというのもあったんだろう。


いずれにせよ、そうかいりんも幸せそうで何よりだよ。




ああそれから今後しばらく、そうかいりんの三人を中心にレオンの暮らしぶりに触れていきつつビアンカのことも触れていくつもりだ。


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