誉編 情報伝達
新暦〇〇二八年八月十六日。
俺の家と、シモーヌの家と、
もうこれだけで、<小さな集落>程度にはなったかもしれないな。この調子で、少しずつ家が増えていってやがて<町>ができるんだろうか。
いつかそれを迎えられるようになる為にも、
排除せずに済むならそれに越したことはないものの、やるとなれば容赦なくやらなきゃいけないな。
分かってはいても、それを何度も自分に言い聞かせる。
こうやって自分自身に言い聞かせてないとすぐにヘタレてしまうからな。
俺ってやつは。
『……それにしても、見た目は確かに
タブレットに映し出される
サイゾウの近似種の群れに遭遇すると、二十頭くらいいるそれに躊躇うことなく突っ込んでいったんだ。
いくら
まあ、最終的には全長二十メートルを大きく超えたとはいえ、プロポーション的にはヘビに近かった
それを考慮に入れたとしても、
しかも、ちょくちょく母艦ドローンのカメラを意識しているかのように視線を向けるんだ。
単に、異様なものが空を飛んでるのを気にしてるだけかもしれないが、それにしたって印象が被り過ぎている。
『そんな気がする』
だけだったんだが、そんな
「……
一緒に映像を見ていたシモーヌに、思わずそう尋ねてしまう。
「……私自身はそういう実感はありませんが、あの不定形生物との間で情報伝達があるという感覚はありませんが、もしかすると一方的に情報を収集されているかもしれないという可能性は否定できませんね……」
決して具体的な根拠がある訳ではないものの、それが彼女の素直な印象なのだった。
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