誉編 なんとかなるなる
新暦〇〇二七年六月四日。
なので、調査の仕事は当分は休みだ。
俺も、
と言うか、可愛くてなあ。ずっと見てたいんだよ。しかも
が、それが高じたのか、
「おっぱいが張ってきてる……? 母乳が出る……?」
などと言いだした。
するとシモーヌが、
「強い母性に目覚めると、それによって分泌されたホルモンにより、妊娠を経なくても母乳が出る例は確かにあります。
と説明してくれる。
「そうなのか…? いやはや、生命の神秘だな……!」
まさか妊娠出産の前におっぱいが出るようになるとか、素直に驚きだよ。
そして本当に、セシリアに<母乳マッサージ>を受けた
と言っても、実際に妊娠した訳ではないからか、量としては微々たるものだったが、
『母親に乳を含ませてもらう』
ことが赤ん坊にとっては大事らしく、
ただ、一方で、
「私にも抱かせて」
と
「ふい…ふぅう、ういぃ……!」
って感じで明らかにぐずり出す。どうやら
「なんか悔しい。自信なくすわ~…!」
「ごめん……」
そこに俺は、
「気にしなくていい。
そこで変に意識して緊張すればそれを赤ん坊も察してしまって不安になるんだ」
その際に得た実感を、
「心配しなくても、俺にもできたことだ。
だいたい父親なんて自分が生んだわけでもないのに<親>になるんだぞ?
それを思えば接し方次第で赤の他人でも<親>にもなれる。
相手をちゃんと人間として敬うことができれば、後は『何とかなるなる』って感じで軽い気持ちでいればいい。
それがコツだよ」
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