ただし灯に限る(それも本音らしい)
新暦〇〇二四年十月三十日。
一言で言えば、『大人になった』んだ。いや、冗談抜きでまさにその感じなんだよ。
一応、もう既に成体だった筈なんだがそれでもどこかあどけなさも残ってた表情が引き締まり、<大人の男>のそれになったという印象なんだ。
いやはや、女性というのは本当に男を変えるな。
その一方で、
お父さんは嬉しいやら、でも微妙に寂しいやらで複雑だよ。
だが、二人が仲良くて幸せそうにしてるのなら、それが一番か。
例の激しい求愛行動も鳴りを潜め、しかも振る舞いそのものが人間っぽさを増して、言葉そのものはたどたどしい片言のそれから先には進まなかったものの、使い方については板についてきて、必要な時に必要最低限だけ喋ることで<寡黙で真面目な青年>風になってきた気がする。
ただ、その変化を少しだけ寂しく思ってる者もいるようだ。
「なんか、
と漏らすのは、当然、
一緒に騒げなくなったのが残念らしい。
かといってお互いに距離を置くようになったとかそんな訳でもなくて、相変わらず仲はいい。
でも、
『一緒に悪ふざけして遊んでた可愛い弟が大人になってしまって以前のようには遊んでくれなくなったのを残念がってるお転婆なお姉ちゃん』
って感じなのかもしれないな。
その所為か、最近、空を眺めてることが多くなった気がする。
それを恨んでる様子はないものの、
しかしそれと同時に、
車高の高いローバーから降りる時、
「えへへ♡」
と嬉しそうに、でもちょっと照れくさそうな表情を見せるんだ。
「ほうほう、これはこれは…!」
俺はそんな
なるほど、これは
しかも、
「
とも言ってたな。
もちろん、
ただし、そう思えるのは相手が
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