お互いに意識してる男女が(って、ラブコメか!?)
狙っていた<獲物>を横取りされた形だった
「グアッ!!」
「ギィアッ!!」
互いに咆哮を上げ、ぶつかり合う。
吹っ飛んだ
しかし今度は
その所為で
しかもどちらも怯むことさえない。
ここまでは完全に互角と見えた。
そしてお互いに威嚇し合う
「ははは……すごいな……」
俺の口から勝手にそんな感嘆の言葉が漏れる。こんな伯仲した闘いはそうそう見られない気がする。
だがしばらくして、突然、
「キィッ!」
と声を上げた。
すると、
実はこの時、仲間が別の獲物を発見したとのことだったらしい。
頭が良くて合理的な
だが、
「グゥッ、ガ、ガアッ!?」
って感じで、俺の目にも戸惑ってるのが分かる声を上げつつ、落ち着きなく右往左往していたりもした。
上げに上げたテンションのやり場に困ったのかもしれない。既に仲間の攻撃によって絶命していた<獲物>の首に食らいつき、自分よりもはるかに重いそれを引きずり回し振り回し、一通り大暴れしてようやく気が済んだのか、ボロボロになった<獲物>を仲間に任せて自分は先に密林へと消えた。
で、この時のあまりにも堂々とした様子から、てっきり
そんなこともあり、その後もたびたび衝突した
もっとも、何回目かからは
なんと言うかな、察してしまったんだよ。
四~五回目辺りにはもう、お互いに意地になって引くに引けなくなってるだけだってのが。しかも、わざわざ相手が現れそうな場所まで出向いてぶつかってるんだ。
「これはあれだな。お互いに意識してる男女が、自分の本当の気持ちに気付かずにケンカしてる感じかな…?」
俺が言うと、シモーヌも、
「あ~、そう言われたらなんだかそうとしか見えなくなってきちゃいましたね」
と同意してくれた。
それでも、衝突してる時にはお互いに野生の本能剥き出しで相手を殺しかねない勢いだったりするから、『ヤバそうだな』と感じた時には陸号機を介入させるようにしたんだよな。
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