凛の巣立ち(そっちを選んだか)
新暦〇〇二三年二月二十四日。
しかも、必ずしも厳格なそれではないが、一応は縄張りが分かれているらしく、だから結局のところ、寝床となるコーネリアス号の陰を共有しているだけで、実質的には<別の群れ>と言ってもいい状態ではあるようだ。
ただ、双方の子供達はあまりそれに囚われず、一緒になって遊んでたりもするようだが。
でもまあ、上手くいってるならそれでいいか。
そして、
どうやら本当に草原の方が気に入ったらしい。なにしろ、シモーヌとイレーネが里帰りの準備を始めるとソワソワし始め、二人がローバーに乗り込むと、呼ばれなくても勝手に乗り込むようになったくらいだ。
その後、二ヶ月ほどそれを繰り返し、シモーヌとイレーネが帰る時間になっても
しかも、弐号機のスピーカーを使ってシモーヌが「帰りますよ」と呼びかけても反応せず、しばらく眺めた後、コーネリアス号に背を向けて歩き出した。
「そうか……お前はそっちを選んだんだな……」
「シモーヌ。そういうことだ。
「…分かりました。それでは、私とイレーネはこれから帰ります」
新暦〇〇二三年三月十八日。
それからももちろん、ドローンやドーベルマンDK-aでの見守りは続けた。
しかし
なお、実は、
と言っても、俺達が食べたり飲んだりという為のものじゃないし、傍らで細々と品種改良(別に芳しい結果が出なくてもいいと考えつつ)も試みつつ最低限の管理をドーベルマンDK-aを使ってしてるだけのものだが。
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