別行動(倦怠期ってやつかな)
新暦〇〇二二年八月十八日。
そんなことがあって以降、
と言うか、そもそも別行動をとるようになってしまったんだ。それまでは、どこに行くにも一緒だったのに。
「倦怠期ってやつかな」
家にいても目も合わせようとしない二人に、俺は思わずシモーヌに問い掛けていた。
「かもしれませんね。それまで仲が良かっただけに反動が大きいのかも」
さらに
「どう思う?」
「…歯車が噛み合わなくなったのは確かだと思う」
と、自分にピッタリとくっついてる
「なんかさ~、<見解の相違>みたいのがあるみたいなんだよね」
と
「見解の相違?」
意味深な言葉に聞き返してしまう。
「うん。
「って、そうなのか?」
今度はエレクシアに確認を求める。彼女は
「はい。おおよそそうだと推測できるやり取りがあったのは事実です。ですがこれについては当事者間の問題ですので、私が口を差し挟む訳にもまいりません」
「…やっぱりあるんだな。あいつらにもそういうのが」
妙に納得してしまって、でもだからこそふと気になってしまった。
「じゃあ、
その質問には、
「
「う~む。もっと本能的に子供を求めるものかと思ってたが、意外と冷静に考えてるものなんだな」
俺が呟くと、今度は
「そりゃそうだよ。私達の<家族>だよ? 他の
と。それを
「私も、お母さんが言ってることは分かるけど、お母さんの元の仲間達の言ってることは、正直、半分も分からない。その辺りはエレクシアの方が詳しいと思う」
『お母さん』というのは、もちろん
そして、
いわば、『訛りがひどくなってる状態』って感じか。
もっとも、人間の言語ほどは複雑じゃないから、しばらく一緒に行動すればまた影響を受けていずれ通じるようにはなるらしいが。
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