娘自慢(いや、確かに自慢の娘達だよ)
で、その夜、シモーヌと一緒にデータの整理をしながら、
「今日、
と話しかける。するとシモーヌはにっこりと微笑みながら、
「当然です。あなたの娘ですよ? いろんなことを考えて、でも結果としてはどんなことでも受け止める。
あなたそっくりですよ」
って応えてくれた。
『俺の娘…か……』
確かにそれは感じる。
それどころか、利発で、聡明だ。本を読んだだけで人間社会のことをかなり理解できるくらいには。さしずめ、『トンビがタカを生んだ』ってところか。
もっとも、具体的には、数十人の人間が暮らす<村>をイメージしてるらしいけどな。さすがに超高層ビルが立ち並ぶ近代的な都市というのはピンときてないらしい。
変に憧れとかもたせても可哀想かと思ってこれまで映像は殆ど見せてなかったんだ。それでも、<村>というものを想像できるだけでもすごいと思う。
って、なんか娘自慢みたいになったな。でも、確かに似てる部分はある気がする。しかもそれをいい形で伸ばしてくれてるんじゃないだろうか。その辺りは、シモーヌを手本にしてくれてるのかもな。
遺伝子だけでなく、そういう部分も引き継いでくれてるんだ。だったら、より良いものを引き継がせてあげたいと思う。その為の手本になってあげなくちゃな。
ハーレムという、人間社会では一般的に眉を顰められる(本音では羨ましいと思ってくれるのもいるかもしれないが、体裁としては)ものを築いてしまったりもしたが、ここではそれも『アリ』で、しかも
そしてそれは、彼女達の存在そのものを受け止める器を持った雄であることなんじゃないかな。
しかも、
なんてことを考えているのに、
「嬉しそうですね」
と、俺を見ていたシモーヌが言った。言われて、俺は、自分の頬が緩んでることに気付く。
「そうか? そうかもしれないな」
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