一体何がそんなに(駆り立てるんだろうなあ)
今日の調査予定の場所に着いた途端、
それでも、圧倒的なパワーと巨体に似合わぬ俊敏性で非常に強大な存在ではある。
真っ向からぶつかり合えば
が、それはあくまで生物同士ならの話。要人警護仕様のメイトギアであるエレクシアが相手ではそもそも勝負になどならない。
イレーネとそこそこ互角の戦いをした
だからそういう意味では驚異にはなりえないので、毎回、撃退するだけで命までは奪わない。
で、今日も、
「マスターとシモーヌはローバー内で待機をお願いします」
とエレクシアが言うのでその指示に従い、ローバーの中から勝負を見届けさせてもらう。
すると、樹上からエレクシア目掛けて
しかしエレクシアにとっては犬にじゃれつかれた程度に等しい。まったく勝負にならなかった。
飛び掛かる
推定重量二百キロ弱、見た目の印象よりはずっと軽いと言えど人間なら持ち上げることさえままならないそれが、まるでクモの玩具のように宙を舞う。
そのままなら二十メートルは飛ばされただろうが、さすがに密林の中だけあって木にとまり、人間の頭のようにも見える部分をエレクシアの方へと向けて睨み付けてきた。
一応、<表情>のようなものも作れ、歯を剥き出して激しく怒っているようにも見えるし実際怒っているんだろうが、人間のそれとは全く違うメンタリティを持ってることは確認されている。それでいながら<恨み>なのか何なのか、こうしつこくエレクシアを付け狙うというのは、何なんだろうな。
まあ、カラスなどでも、特定の人間をしつこく狙ったりすることもあるというから、そういう感じなのかもしれないが。
それでも、殺すことまではしない。
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