まったく脈が(ないという訳でもない)
大変な熱意でもってアピールしてくる少年だったが、
一通りアピールが終わってさすがに疲れたのか樹上で休む少年を確認した後、
「ダメだったみたいですね」
シモーヌが同情的な声色で呟く。
「まあ、
正直な感想だった。基本的にエレクシアを母親と思ってて彼女そっくりに育った
だが、ちゃんと見届けてくれたということは、まったく脈がないという訳でもないのかもしれない。人間とのハーフとはいえ
で、少年はその後も、体力が回復したら求愛行動を始めるということを幾度となく繰り返した。実際、一回のそれで雌が受け入れることはあまりなく、何度も繰り返せるスタミナとハートの強さも評価対象のようだ。
とは言え、やっぱり
「お姉ちゃん、あれ、すっごいよ。可哀想だよ。なんか言ってあげてよ」
と、同情的になってしまったようだった。
しかし
「興味ない…」
って感じで素っ気ない。
が、俺には分かってしまった。本当に興味がない訳じゃない。興味はあるんだろうが、戸惑ってるんだ。初めてのことに。熱烈に<愛>をアピールされることに慣れてないから。
俺と
そんなわけで
「私、
などと話しかけていた。
まあ、迂闊に近付くのは危険な場合もあるだろうが、相手が
で、なんだかんだとしているうちに、
だが、少年と一緒に来ていた他の
<巣立ち>だ。生まれた群れから離れて、他の群れへと移る時が来たんだろう。
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