パフォーマンス(果たして通用するのか?)
ドーベルマンDK-a零号機は容易く破壊され、ステータス画面には<機能停止>の表示が出ていた。
普通の動物なら、たとえ
「って、いや、おかしいぞ…? 以前、
その俺の言葉には、エレクシアが答える。容赦なく、淡々と。
「おそらく、その際のダメージで、さらに自らを強化する必要があると、変化させたのではないでしょうか?」
「へ、変化…? あの短期間で、自分をさらに強くしたってことか? 状況に合わせて?」
エレクシアの推測を受け入れることができない俺に、シモーヌが追い打ちをかける。
「でも、確かにそういう生物もいます。あの
「無茶苦茶だ……」
言葉を失う俺の耳に、さらに声が届いてくる。
「こちらイレーネ。
実際の戦闘を想定した行動などについては、ロボットであるセシリアは、人間の身体生命によほど切迫した危険が迫ってるような事態でないと指示が出せない。でも、
恐らく、ドーベルマンDK-a零号機では相手にもならなかった
だが、俺には不安しかなかった。あくまで試作品のようなものだったドーベルマンDK-a零号機はともかく、イレーネでも勝てなかったりしたら……
しかしそんな逡巡を
「戦闘モード!
イレーネにまで襲い掛かる動きを見せた
「承知いたしました」
緊迫した状況には不釣り合いなくらいに淡々としたそれで、イレーネが応える。そして彼女の戦闘モードが起動したことを報せる表示が、タブレットに映し出される。
しかも、ドーベルマンDK-a零号機との戦闘で見せた
出し惜しみして状況を悪くするのは確かに悪手だと俺も思う。しかし本当に今のイレーネで勝てる相手なのか…?
万全のコンディションならそれを疑う余地はなくても、右腕と右脚を失っている今のイレーネに……
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