トレーニング(人間の体はすぐに鈍るなあ)
新暦〇〇〇九年四月四日。
ところで、コーネリアス号の<工作室>は、実は本来、コーネリアス号自体のAIだけで結構なものまで作れるはずなんだが、夢色星団の異常な空間の影響を受けたこともあってか、かなりの部分が機能不全に陥っていた。
かつてコーネリアス号の乗員達がいた頃に修理を行いある程度は回復していたものの、それでも万全じゃなかった。だからメイフェアやセシリアには、その辺りの復旧作業も行ってもらっている。これにより、徐々にできることが増えつつあった。と言っても、それは結局、乗員達が行っていた地道な努力の上に成り立っているので、俺としてはそのことに感謝するしかない。
と、
「ただいま戻りました」
明け方、空が白み始める前にはシモーヌとメイフェアが帰ってきて、俺も仮眠から覚めて出迎えた。
これからまた、シモーヌは自分の<家>に帰って寝る。俺も再度寝る。メイフェアは
正直、
ちなみに、
まあ、使えなくても困らんけど。メンテナンスは俺とエレクシアでしてるし。
そう言えば俺、もうずっと探索には出てないな。そのせいか、若干、太ったかもしれない。などと思いつつ腹を撫でると、
「太りましたよ。体重は既に五キロ増えてます」
と、エレクシアの冷静なツッコミ。
く……まだ腹は出てきてないから大丈夫だとは思うものの、ちょっと気を付けて体を鍛えないといけないか。宇宙船の中にある簡易トレーニングルームを活用して。
宇宙空間の移動中に体が鈍らないように設置されてるものだ。俺一人なら十分なトレーニングができる設備ではある。これもしばらくご無沙汰だったが。
…いかん。これでは<幸せ太り>してしまう。やはり意識してトレーニングはしなければ。
ということで、昼前まで休んで昼食兼朝食を済まし、俺はトレーニングルームに籠った。
が、すぐに息が上がってしまう。
「むう……思った以上に鈍ってた…」
思わぬ事態に内心焦る。とは言え本当に焦っても仕方ない。徐々に取り戻していこう。
なんかな、人間の体って油断してるとすぐだな。あんなにぐうたらしてそうな
筋肉の効率とかも違うんだろう。同じ体重どころか、はるかに軽い子供達でさえ俺より強いし。
つくづく人間ってひ弱だなあ。
などとトレーニングしながらも
するとまた遠ざかっているのが確認できた。このまま遠ざかってくれたらありがたいんだけどな。
そうこうしてる間に夜になりそして明け方、もう一台のローバーに乗って、セシリアとイレーネが一日半ぶりに帰ってきた。
と思うと、
「おかえりイレーネ。ご本読んだげる」
などと
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