第136話 スターツ城攻略戦⑤
リーツが情報を聞き出していたころ、ミレーユも同じく情報を聞き出そうとしていた。
同じく、市街に配置されていた練度の低い敵を強襲し、隊を率いていた隊長を捕らえることに成功した。
「さて、聞きたいことがあるから、話してもらおうか。スターツ城の魔法施設に関して聞きたい」
「は、話すか! 絶対話さんぞ!」
敵の隊長は二十歳前半ほどの年齢で、若く、知らない可能性もあるとミレーユは思っていたが、様子を見る限り知っていそうなので、ラッキーだと思う。
「強がってるけど体は震えっちゃってる。可哀そうだねぇ。でもこれは戦だから容赦はしないよ。恨まないでくれ」
「うっ……!」
ミレーユは笑みを浮かべて、拷問を開始しようとする。
まずは爪を攻めるという簡単な拷問をやろうとすると、
「や、やめてくれ!! 話す! 話すからぁ!」
とあっさりと降参した。
「何だ。降参するのか。楽でいいけど、アンタ情けないねぇ」
「ぐぅ……」
「じゃあ、早速案内してくれよ。一番近くの重要魔法施設がある場所までさ」
男は力なく頷く。
ミレーユは男を縛りながら案内をさせた。
〇
一番乗りで城に侵入したクラマントは、正門を内側から開けるという任務を果たすべく、まずは正門の場所を確認した。
民間人でも知っていることなので、民家に避難している者たちに聞き出した。
そのあと、正門付近が現在どのような状況になっているかを偵察で確認させる。
その結果、正門を開けるのは難しいという事が判明した。
「正門付近には敵兵が集まってます。ありゃ、突破するのは難しいですぜ」
現在クランが正門を突破しようと攻城戦を仕掛けているので、正門の付近には敵兵が集結していた。
現在の状況で、仮に不意を突けたとしても正門を開けるのは、非常に難しいだろうと、偵察兵の話を聞いて、クラマントは思った。
「無理なことはやるべきではないが……何もしないとなると、メイトロー傭兵団の名が廃ってしまうな」
どうするか考える。
クラマントの視界に、高い塔が飛び込んできた。
スターツ城には高い塔が二つ設置されていた。頂上から魔法が発せられているようだ。恐らく爆発魔法で、本隊を攻撃しているようである。
「あの塔には、かなり爆発の魔力水が貯蓄されているだろうな……ふむ、あれを使うか」
まずは塔を占拠しておいて、爆発魔法を使用して、正門やその周辺の城壁を破壊するとクラマントは決めた。
防御魔法は、城の内側からの攻撃には対応していない可能性が高い。仮に対応していた場合は、リーツとミレーユが解除してくれるのを待つという事になる。
塔は二つ立っており、一つだけ落とした場合、もう一つ爆発魔法を撃たれて、倒される危険性がある。
クラマントは二手に分かれて、同時攻略することに決めた。
「ライド。お前は奥にある塔を攻略しろ」
「了解」
副団長のライドにそう命令をし、早速塔の攻略に動き始めた。
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