猫のブッチ

音澤 煙管

さぁ、消灯だ!







ぼくの寝床はダンボール箱、

ご丁寧にも新聞紙が敷いてある。

ホームレスではない、

人から見たら簡素な寝床。


でもね?

この場所は特別なんだ。

ぼくに必要な日向ぼっこも

月光浴もできる場所。

窓辺のど真ん中に、

どんな時でも直ぐ寝られる。


同居人の朝は早いから、

ぼくらの夜は長いんだ。

月明かりの下で、

たくさんたくさん生き返る。

ぼくの中では充電中、

昼間の日向は休憩中。


だからいつも、

毛並みも心もツヤツヤなんだ。

ゆっくりゆっくり朝も夜も、

ここがとても大事な場所。

同居人が消灯すると、

場所移動の時間になる。


さぁ、

今夜はどんなお月様かな?


猫のブッチは、

今夜も月明かりの下で

ワクワクしている。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

猫のブッチ 音澤 煙管 @vrymtl

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ