第9話

[Lv.2 スカウター 15万円を購入しますか?]


当然タッチ。


[変身薬 100万円を購入しますか?]


ちょっと高いけどタッチ。


[望遠鏡 70万円を購入しますか?]


はいはい、お前も購入。

俺はこうして買い物を済ませた。いざ用途を調べる時間だ。まさかハズレのアイテムなんてないよな。ドキドキしながら [所持アイテム]を読み込んだ。


[所持アイテム]

[Lv.1 スカウター]

[Lv.2 スカウター]

[万能キー]

[睡眠スプレー]

[カメラ]

[変身薬]

[望遠鏡]


俺は各アイテムの説明を順番にタッチした。


[Lv.2スカウター]

[スカウターを使用した状態で対象の女性をみつめると攻略に必要な情報が出てきます。]


スカウターは Lv.1 の時と説明は変わらなかった。


[変身薬] [一粒]

[なりたい姿に変身できる薬]

[攻略対象の人、ひとりにだけ姿が変わって見えます。]

[他の人に見えるのは本来のあなたの姿です。]


[望遠鏡]

[透視望遠鏡。ただ、壁のように分厚いものは透視不可能です。]

[瞬きすると使用可能]


[変身薬]と[望遠鏡]はすぐに使い道が思いつかない。加えて、壁を透視できないという制限も気に入らない。でもハズレではないだろうから、取っておけばいつか使う時がくるだろう。


俺は[ゲームウインドウ]を終了しようとしたが、[万能キー]の回数を確認したくなった。まだあまり使ってないから、あえてまた購入する必要はなさそうだが、確認だけしてみるか。レベルが上がっただけに回数がどう計算されたのか気になった。


[万能キー]

[どんなドアでも開けることが出来ます。]

[希望するドアの前に立ってアイテム使用ウインドウをタッチすれば使用可能]

[残り使用回数は4回です。]

[レベルアップすることでアイテム強化が可能です。]


回数は4回とそのまま。これにはかなり失望。しかし、追加されたメッセージが目に入ってきた。強化だと?好奇心からそのメッセージをタッチしてみる。すると、その上に他のウインドウが現れた。


[アイテムを強化しますか? 強化費用 : 10万円]


それなりに費用もお手頃だった。ならばやってみよう。


[強化を完了しました。]


1秒もかからずに完了メッセージが出てきた。

何が強化されたのか気になった俺は[万能キー]の詳しい説明を再び呼び出した。


[万能キー][強化1]

[どんなドアでも開けることが出来ます。]

[希望するドアの前に立ってウインドウをタッチすれば使用可能]

[使用回数: 7回]

- 再購入をしても回数は変わらない。

- レベルが上がると強化による回数の回復は可能。


すると使用回数が増えていた。レベル1で初めて[万能キー]を買った時の使用回数は6回だった。ということは、強化したことによって使用回数が7回に増えたのか。レベル1で使用した2回はサービスで復活させてくれたということか。ははっ。


そうならば、他の[アイテム]も強化が可能なのでは。レベルアップによって強化が可能だと言っていたからレベル1の時に購入した他の[アイテム]も全て強化できるのではと思い、[睡眠スプレー]と[カメラ]の詳しい説明を立て続けに確認した。


[睡眠スプレー]

[その名の通り睡眠スプレー。強力な性能を誇る。]

[アイテムウインドウでタッチした後、対象を見つめればOK。]

[持続時間: 1時間]

[使用可能距離 : 2M]

[レベルアップにてアイテム強化が可能です。]


[カメラ]

[透視カメラ。なんでも決めたものを撮ることができるカメラ。]

[使用をタッチして撮りたいところを視野に入れ、瞬きすることでOK。]

[ただし使用回数は1回。 ]


[カメラ]においては、元々強化できないのか、もしくは、もう少しレベルが上がれば強化できるのかがわからない。とにかく現状況での強化は不可能だった。ただ[睡眠スプレー]は強化が可能だ。俺は迷わずすぐにメッセージをタッチした。


[睡眠スプレーを強化しますか? 強化費用:10万円]


強化費用は決まって10万円。安いのか高いのか混同する。とにかく出せる金額ではあるからメッセージを指でぐっと押した。


[強化が完了しました。]


[万能キー]の時と同じメッセージが出てきた。そしてすぐに[睡眠スプレー]の詳しい説明を確認。


[睡眠スプレー][強化1]

[その名の通り睡眠スプレー。強力な性能を誇る。]

[アイテムウインドウでタッチした後、対象を見つめればOK。]

[持続時間: 2時間]

[使用可能距離 :2M]

+強化により持続時間 1時間 -> 2時間

+使用可能距離 1M ->2M


こうしてみると[万能キー]よりも満足のいく結果だった。持続時間は大したことないが、使用距離が伸びたのはかなり気に入った。今後さらに使用可能距離が伸びる可能性もあるという意味にもとれる。そうなると護身用にはもってこいだ。1Mとなると、ほぼ目の前でしか使えない距離だから。包丁を持って飛びかかってきた桜井を相手にした時は正直、距離上不安があった。5Mくらいまで伸びれば安心して使用できる距離だ。だからまだまだこれからだ。


とりあえずは[アイテム]も購入して[強化]という良い武器も手に入れた。そろそろも新たな攻略対象を探さねば。こうしている間にも時間は絶えず流れている。

だが、とても眠い。精神的に疲れたのだろうか。

これはゲームらしくない現実感だ。疲れた状態で無限に攻略に乗り出すのは不可能に近い。食欲、睡眠欲、生理現象、全てが現実そのままだ。眠むすぎて頭もまわらない感じ。仕方なく少し睡眠をとってからゲームを再開することとすべく、ベッドに横になってしまった。そして布団にくるまって目を閉じた。

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