第255話 ガルダムを殺した

雪女のユキの氷弾、空狐のクーコの狐火、サラマンダーの炎のブレス、鵺のライヤの雷撃が悪鬼王アスラに、入れ替わり立ち替わり放たれるが、全てアスラの結界に阻まれる。


アスラの3つの顔の6つの眼は閉じている。

召喚直後で、まだ動かない様だ。


取り敢えずガルダムはサクッと殺しちゃいましょうかね。


俺は気配を消して、ガルダムの背後に移動した。


そして、首の直ぐ下辺りの背中に掌底を当てて、その勢いで押し倒しながら、生命力吸収ライフドレインをフルパワーで行使した。


ヴァンッ!!


「んぐっ、な、なんだぁ!」


「バズ!」

そしてバズを呼ぶ。


魔神パズズのバズは風になって上空で待機していた。そして俺の合図に応じて吹き下ろすと、その鋭い爪でガルダムの背中から心臓を突き刺した。


ズブシュッ!!


俺がガルダムを俯せにして、上から乗ってるのに、俺の横から俺の身体をバズの腕が紙一重で避けて通過したのだ。


「あっぶねぇ・・・」


更に・・・。


ズダンッ!!


「っと!こわっ」


いつの間にかユキも俺の横に来ていた。


今度は背中に当ててる俺の右手の手の平の、詳しく言うと、俺の中指の爪を0.1mm程度削って、ユキが炎の魔剣でガルダムの首を切断していた。


「わちきにも、斬らせてくんなまし」


転がるガルダムの首。


随分あっさり殺しちゃったねぇ。


本当は後悔するくらい、色々やった上で殺したかったのだが、アスラがヤバそうだったので、殺せる内に殺す事にしたのだ。


その時、アスラの目が開いた。


一つの顔の目が、こっちを見ている。


うはっ、怖い。


そして一瞬で消えた。


ダンジョンのスキルでアスラを確認すると、エリの目の前だ。


ヤバっ!


俺はエリをピラミッドの南入口に転移させた。


直後。


エリがいた位置をアスラの一つの腕が通り過ぎる。そして、ドラゴン型ガーゴイルのドラガの頭に直撃し、ドラガの頭が粉砕された。


ガガンッ!!


崩れるドラガの身体。


間髪を入れずに、アスラがくるっと半回転した。すると、後ろにいたサラマンダーの身体が消失していた。


あちゃ、ドラガの事忘れてた。

そして、サラマンダーも一瞬かよ。


次にアスラの持つ2つの玉が不気味に光る。


あっ、これ絶対ヤバい奴。


咄嗟に俺と中央広間にいた仲間全員も、ピラミッドの南側入口に転移で飛ばす。


眩いばかりの閃光と大爆音と共にピラミッドが爆発し、中央広間の上にあった部分が、跡形もなく消え失せた。


そこにアスラが立ってこちらを見ていた。


「どうしよう。勝てるイメージができないぞ」


「うむ、妾も逃がして貰ったが、動きが全く見えなかったのじゃ」


魔神パズズのバズが魔方陣を展開した。

「我ニ任セロ」


魔神対悪鬼王だね。大丈夫かねぇ。


「わちきもやりんす」

ユキが冷気を纏う。

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