第254話 悪鬼王アスラ登場
魔王軍四天王ガルダムの研究所である、ピラミッドの中央広間に転移して、ガルダムと対峙する俺達。
「バズ、ユキ、ライヤ、クーコ、目の前にいる魔族が主達を召喚した者かのぅ?」
エルフのエリはバズ達に確認した。
「ソウダ、奴ガ我等ヲ召喚シタ」
と魔神パズズのバズ。
「間違いないでありんすぇ」
と雪女のユキ。
「奴我召喚」
と鵺のライヤ。
「ウチを召喚したのもあいつや!」
と空狐のクーコ。
俺達の会話を聞いて思い出したガルダム。
「ぐはは、あぁ、妖精の国を滅ぼそうとして、試しに召喚した奴らか。どんな手でここに出現した? 入口から入らないと、ここには来れないはずだがな。げひひ」
「そんな事を言うわけないじゃろう」
「ぐひひ、まあ、そうだな。殺して脳みそから直接聞く事にするよ。げへへ。しかし、パズズは勿体なかったのう。良い戦力になったんだが、洗脳が不十分だった。ここで殺して、良い素材として活用するか」
「我ガ貴様ヲ殺ス」
「ぐはは、やってみろ」
「わちきから一つ質問がありんす。元の世界に戻れるのでありんしょうかぇ?」
ユキがガルダムに話しかける。
「ぐへ、元の世界? 何で戻る必要がある? 儂にはそんな必要性は全く感じないぞ。無意味だ。げひひ」
研究すらしてないって事か。
酷い話だ。
お!ペロから連絡があった。
ペロ達と囚われた者達を南側の入口に転移させてっと。
「ぐはは、もう良いだろう。儂は忙しいのだ、サッサと死んでくれ。ぐひひ」
ガルダムの後ろの祭壇の魔方陣が妖しく光って、魔力の粒子が放出されている様だ。
ヤバいんじゃねぇ。
と思ったら、バズが風になって、ガルダムに斬りつけた。
ガルダムは魔力で覆った杖で防ぐ。
結界か?
「グヌ」
「ぐへへ、そんな攻撃は効かんよ。最新の召喚魔方陣の威力を見よ。強力な魔神で洗脳も完璧なのだよ。ぐひひ、良いテストになりそうだ。魔王より強い魔神の召喚に成功したのだ。ぐははは、この世界は滅びれば良いのだ。げははは」
魔方陣から浮かんで来た3つの鬼の顔と6つの腕、1対の腕は印を結ぶ。2つの手は玉をモチーフ、後2つの手に弓と矢を持っている。上半身は裸で鋼のような筋肉で覆われている。
「ぐはははは!戦いの神、悪鬼王アスラだ!死ねえええええええ!」
「死ぬのはお前らじゃ!」
エリの矢が、雨の様にガルダムとアスラに降り注ぐ。
ガルダムの身体は消えていき、アスラの後方に現れて矢の範囲から逃れた。
アスラの玉が光ると、矢はアスラを避けて地面に落ちる。
クーコは左に移動し狐火を10体召喚した。
ユキは右に移動し、吹雪を纏う。
ライヤは宙に浮いた。
エリがサラマンダーとドラゴン型ガーゴイルのドラガを召喚し、ドラガの背に立って乗り矢を番えた。
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