第256話 エキドナ再登場
悪鬼王アスラと対峙する俺達。
魔神パズズのバズが展開した魔方陣より、数万の虫が湧き出て来た。
「
飛蝗は
通常のバッタは緑色をしているが、飛蝗は黒く禍々しい色合いで、群れをなし作物や木々等、有りと有らゆる物を食い尽くす。通常の殿様バッタより大きく、足が太く翅が長い、そして顎も大きく噛む力も強い。
飛蝗は黒い霧の様にアスラに向かって行った。
「バズはこんな魔法も使えたんだね。戦争した時に敵国に放てば、大飢饉を巻き起こせちゃうな」
「それじゃ、戦争に勝っても占領した領地の運営が出来んじゃろう」
エルフのエリが答える。
「まあ、そうだね。使い処は難しいな」
バズは無言で風になり、飛蝗と共にアスラに向かった。
雪女のユキも何時でも飛び掛かれる姿勢で様子を見ていた。
飛蝗はアスラの持つ玉が作り出す結界に阻まれて、アスラに到達出来ていない。その内、アスラの玉が妖しく光り、眩い閃光が飛蝗の群れから溢れると、飛蝗達は消滅していた。
バズの風の爪がアスラを襲う。
ガキッ!
アスラの突きが蹴りがバズを襲うが、バズが風になり、アスラの攻撃は空を切る。
ガキッ、ガキッ、ガキッ!
バズと一緒にユキも炎の魔剣でアスラを、斬り伏せようとするが、結界に弾かれる。
アスラ攻撃はピラミッドの土台も破壊していき、足元には瓦礫が散らばる。
むう、倒せないなぁ。
「倒すのは難しそうじゃな」
エリの言葉に。
「そうだね、目的は達成したから、撤退する手もあるけどね」
「撤退したらどうなるのじゃろうな」
「先ず、セイレーンの集落が襲われて、魔王国は危険にさらされるな」
「むむ、セイレーンの集落はどうでもいいのじゃが、イリヤは悲しむじゃろうな」
「まあ、もう少しアスラの戦いを調べて、倒せそうも無ければ、撤退だな。その時はセイレーン達も避難して貰う様にすれば良い。四天王が呼び出したので、魔王軍が処理すれば良いさ」
その時。
「ショータ、あの化け物は何者だ」
後方の上空から話し掛けられた。
ん? 振り向くと、エキドナが宙に浮かんでいた。
「四天王ガルダムが召喚した魔神だ。名前は悪鬼王アスラ。魔王より強くて、世界を破滅に導く戦神らしいよ」
「ガルダムは何処に行った?」
「ガルダムは俺達が殺した」
「むむ、そうか」
「エキドナは、ここに何をしに来たんだい? 勇者は倒したのか?」
「勇者には逃げられて、ルーデルは殺された。魔都は崩壊だ。ガルダムは気に入らないが、戦力増強する為にここに来た」
「と言うことは、アスラを魔王軍に誘ってみるのか」
「そうだな、ここにあいつしかいないなら、あいつを追加戦力とするか」
魔王軍に参加するなら、今直ぐ倒さなくても良いか、なんて思ってます。
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