第238話 エキドナ2

ドラゴンのドラムを回復した俺は、宙に浮かぶエキドナを見上げる。


「妾はエキドナ!妾の眷族をよくも殺してくれたのう。死を持って償うが良い」


エキドナの下で蠢く魔獣達は、転生前のファンタジーの知識でも強力な大物が多かった。


その魔獣達は・・・。

ケルベロス、オルトロス、ヒュドラ、

ラードン、ドラゴン、大鷲エトン大猪パイア半人半龍の女デルピュネ、キマイラ、海獣ケートス、スキュラ、大獅子、スフィンクス。


その他知らない魔物も多数いる、これはヤバいと思うよね。


「ああ、魔王軍四天王のエキドナですねぇ。随分大物が来ましたなぁ」


ヴァンパイアワイズマンのヨシゾーが、俺の後ろに現れて囁く。


「ユキ、氷の障壁を解いても良いよー」


ハーピーのハルカが結界の盾を構えて俺の上空に飛んで来た。


「承知しんした」


ユキは氷壁を解除し、炎の魔剣を構えた。


「随分強力そうな敵が来たのう」


エルフのエリが鵺のライヤに乗って来て、サラマンダーと、竜型ガーゴイルのドラガを俺の前に召喚&展開した。


隣には魔神パズズのバズが浮かぶ。


空狐のクーコも通常サイズで俺の横に走って来ていた。


「皆を呼んで来たにゃ」

ケット・シーのペロが俺の影から現れた。


「ペロ、有難う」


「ショータ様、エキドナの軍勢と本気で戦うなら、総力を集めないと厳しいかも知れませんなぁ」


とヨシゾーが言うので、気功士王国からも応援を呼ぶ為、ダンジョンの眷族を召喚した。


そして念の為、ダンジョン化もしておいた。


これでいつ戦闘になってもOKだ。


応援に呼んだのは・・・。

ヴァンパイア真祖のヴァラカ。

ヴァンパイアジェネラルのヴァンリ。

ダンジョンマスターであるキングライオンのキンちゃん。


そして、いつものスケルトン軍団と、元魔法兵団のリッチ軍団、元3国連合軍のリビングアーマー軍団。


リッチ軍団を統括する元最高魔導師でありエルダーリッチのネシマと、リビングアーマー軍団を指揮するデュラハーンのデンガナ将軍とエルダースペクターのゲンサイ将軍。


因みにヴァンパイア軍団は、ダンジョンの眷族じゃ無いので、召喚出来ない事から今回は呼んで無い。


あっという間に大軍同士が向かい合う事になった。


一触即発だ。


エキドナはあれよあれよという間に増えていく、俺達の軍勢に動揺し始めた。


俺達を数で圧倒し怖がらせようとしたんだろうが、逆に俺達の方が数が多くなった。


こんなに大勢の軍団と戦うつもりは無かったはずなので、驚いただろう。


もう国同士の戦争の規模だ。


そして、エキドナは俺達の軍勢の中で知り合いを見つけて、ホッとする。


「真祖ヴァラカ!お主の軍勢か?」


「エキドナ!久しいなぁ。この軍勢は我が主の軍勢よ」


「主?お主程の男が主と従う者がいるとはのう。その主は此処におるのかのう?」


ヴァラカが俺の方を向いて「どうしますか?」って顔をしたので、俺はバズを呼んだ。


「バズ!来てくれ」

「承知シタ」


そしてバズに乗って空中に浮かぶ。


俺の前にサラマンダーとか、ドラガ他いっぱいいて、エキドナから良く見えないだろうし、上から見下ろされながら話をするのはイヤなので、目線を同じにしました。


「俺はショータ!真祖ヴァラカの主だ」


さて、エキドナはどう出るかね。

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