第220話 勇者パーティーの誘い
無事エルフのエリが剣士カツエー、魔法剣士ドーセツ、魔法使いナナミを倒し、復讐を遂げた。
エリの復讐を見届けた俺は、雪女のユキの元に転移した。
ダンジョンの地下室の1つ。
ユキはデュラハンを凍り付けにしていた。
「ユキ、魔王軍四天王のガルダムの、情報は入手出来たかい?」
「ガルダムは魔族、所在は魔王国程度の情報しか得られんせん」
「ふむ。そうすると、やはり魔王国に行く必要があるかぁ」
「そうでありんすね」
「ペロの情報を待って、辺境伯を倒して魔王国に行く流れだな」
「承知しんした」
「まあ、モヤジーとヴァラカに情報入手を依頼しているので、その間に情報が集まれば良いんだけどね」
「そうでありんすね」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
一方砦では勇者パーティーの3人が、行方不明になっている事が発覚し、大問題になっていた。
既にダンジョン化を解除している事から、証拠は何も残っていない。
勇者リクトと聖女ミクの第六感系のスキルも、自分達と直接関係ない事で発動していない様だ。
まあ、それは勇者パーティーの動向を探っていた時から、その発動範囲を警戒し確認していたので、想定通りだったんだけどね。
それよりも、パーティーメンバーがいなくなった事で、急遽砦内の戦力から臨時のパーティーメンバーを決める事になり、勇者が気功士を加える様に主張しだした。
砦内に侵入した魔王軍を、ほぼ自軍の損失無く殲滅した評価が高すぎるので、気持ちは分かるのだが、俺達は勇者パーティーに人を出す気は無い。
そもそも、帝国軍に参戦する事も保留中なのだ。
しかし、勇者が魔法兵団宿舎にて、気功士兵団とすれ違い、気功士兵団の女の子を間近で見て、改めて可愛い事に気付き、どうしてもとごねてるらしい。
そんなの知ったこっちゃないんだが。
それで、勇者が直接気功士兵団の宿舎に説得に来ていた。
同行しているのは聖女ミクとカシゾー将軍。
対応しているのは団長キャルとミク&アヤ、ノノの4人だ。
「なぁ、良いだろう。勇者パーティーに参加する事はとっても名誉な事なんだよ。参加しろよ!」
勇者がキャルに話し掛ける。
「お断りします」
団長キャルはきっぱりと断る。
「おいおい、一人ぐらい参加させても良いだろう。臨時のパーティーなんだし、正式メンバーが決まるまででも良いんだよ。最も望むならそのまま正式メンバーにしても良いんだ」
「魔法兵団が襲撃してきて、帝国軍に参戦する事も保留中なんですよ。あなた達を信用もしてないんです。パーティーなんて無理に決まってるでしょう!」
アヤが勇者に答える。
「信用?魔王軍に我々人族の領域を取られても良いのか?」
「勇者かなんだか知らないけど、あんた無礼だね。我々は国の代表で来てるんだよ。その口のきき方から治したら?」
ミク本人が敬語で話すことが殆どない癖に、ミクらしくない文句を付けていた。
「はぁ!お前はなんだよ。勇者に向かって言えんのかよ!」
全く噛み合わないまま、交渉は平行線で、時間だけが過ぎていく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます