第203話 3国連合6
俺は3国連合の大将のダドン王国のデンガナ将軍の元に、ダンジョン機能で転移した。
デンガナの周りの兵士は、落下の衝撃からか、スケルトンナイト達の攻撃からか生き残っている者はいなかった。
デンガナのみ、あちこち怪我をしながらも、立って周りの戦況を唖然と眺めていた。
「あんたが3国連合の大将、デンガナ将軍だな!」
「むっ!お主は・・・」
デンガナ将軍は、俺の頭から爪先までゆっくりみながら、魔力探知で俺を調べた様だ。
「魔抜け!そうか、お主が学園都市を占領した賊の親玉でんがな!」
「まあ、ある意味間違いでは無いけどね」
「気功士でんがな!」
デンガナは魔力を身に纏い、剣を抜いて構えた。
「気功士だよ」
「やはり、そうか。我々の軍はもう駄目でんがな、しかし、お主はここで殺すでんがな」
「ほう、やってみな」
デンガナ将軍は剣に炎を出現させた。
「魔法剣、炎の剣でんがな!」
炎の剣を袈裟斬りで振り降ろす。
炎が斬撃となって飛んで来た。
俺は炎の斬撃を躱すが、デンガナは何度も剣を振ると、その剣筋で炎の斬撃が飛んで来る。
上から下に振り降ろす。返しの剣で下から斜め上に切り上げる。剣を回して横に薙ぎ払う。
全ては躱しきれず、薙ぎ払った斬撃を気を込めた手も平で受ける。
魔法の炎は霧散した。
「む、効かんでんがな。しかし、気功士は接触しなければ、生命力吸収が出来ないでんがな」
ん?なんか間違った情報だなぁ。
「遠距離から魔法で殺すでんがな!」
デンガナは魔力を込め詠唱すると、後方上空に魔法陣が出現した。
相変わらず炎の剣を振り回し、炎の斬撃は飛んで来る。
なんかヤバそうな大きさの魔法陣だと思ったので、デンガナの後ろに転移した。
「な?どこに行ったでんがな!」
俺はキョロキョロするデンガナの後頭部に、掌底を打ち込み、そのまま生命力吸収を発動した。
ドカッ!!
「ぐふっ」
膝を着き俯せに倒れ込むデンガナ。
「ペロ頼んだ!」
俺はケット・シーのペロを呼ぶ。
「分かったにゃ」
ペロは俺の影から出現し、闇の触手でデンガナを拘束した。
身体を振って生命力吸収から逃れようとしたデンガナは、ペロの闇の触手で身動きが取れなくなった。
「クソオオオオ、俺は賊には負けんでんがな・・・」
「賊、賊煩いなぁ。お前等は魔力の無い人達を、今まで何人も殺して来たんだろう?その報いだ」
「ぐぬうううううう」
デンガナの生命力はゼロになった。
「終わったにゃ」
ペロが闇の触手を収納し俺を見る。
「終わったね」
俺達は周りを見渡す。
10万人の兵士の亡骸と俺の元に歩いてくる仲間達が見えた。
エルフのエリは走って来る。
ハーピーのハルカは飛んで来る。
雪女のユキは何時の間にか俺の横に立っていた。
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