第201話 3国連合4

そして西には、雪女のユキ、空狐のクーコ、キングライオンのキンちゃんが居た。


クーコの狐火が赤々と燃えていた。


数十の狐火がクーコの上空に浮かび、周りを照らす。


「行ったれええええ!」


クーコの号令で狐火達が兵士を襲う。


「うわああああ」


兵士達は剣を振り回すが、狐火は剣を躱し隙を見て兵士に直撃すると、兵士は炎に包まれる。


「ぎゃああああああああ!」


狐火は兵士を燃やすと、次の兵士を襲い、兵士達は次々と火達磨になっていく。


「行きんすよ」


ユキがまるで散歩に行くかの様に、気負い無く声を掛けて歩き出す。


ユキは右手をあげて振り降ろすと、狐火がまだ燃やしていない兵士達に、氷の槍が突き刺さる。


グサッ!

「ふぐっ・・・」


腹に氷の槍が突き刺さった兵士は、腹から凍っていき息を引き取る。


キンちゃんは走り出し、狐火の前に進み、6本の腕を振り回し、鋭い爪で兵士達を斬り裂く。


ズシュッ、バシュッ、ドシュッ、ブシュッ、ザシュッ、ドブシュッ・・・。


「ひ、ひぃ」

「化け物だあああ!」

「逃げろおおおお!」


そして東側には、ヴァンパイア達が待ち構えていた。


ヴァンパイア真祖のヴァラカ。

ヴァンパイアジェネラルのヴァンリ。

ヴァンパイアワイズマンのヨシゾー。

数十人のヴァンパイアナイト達。


ヨシゾーが詠唱し極炎の魔法を放つ。


ヨシゾーの前方上空に巨大な魔方陣が展開されて、凶悪な炎が兵士達に降り注いだ。


ゴオオオオオ!

「ぎやああああああ!」

「ああ、熱い、ひゃあああ!」


燃え上がる兵士達。


「さあ、殺し尽くせ!」


シュッ。


ヴァラカの号令でヴァンリとヴァンパイアナイト達が剣を抜いた。


ヴァンリは大剣を振り上げ走り兵士達を斬り捨てる。


ズシャッ!!


兵士の盾や鎧ごと斬り払われる。


「うああああああ!」


ヨシゾーは宙に浮いて、上空より魔法を放つ。


ヴァンパイアナイト達も剣で兵士達を斬り捨てて行く。


その後ろをヴァラカがゆっくりと歩いていく。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


エルフのエリが進む先に、カンデン王国のナンデン伯爵とゲンサイ将軍がいた。


落下の衝撃で気絶していたナンデン伯爵が、目を覚ました。


「うぬ、ゲンサイ将軍、何事だ!」

「巨大な落とし穴に落ちた様ですな」


「くっそぉ、魔抜け共を殺しに行かなくては、いけないのに・・・。こんなところで、立ち止まる暇は無いのだ」


ゲンサイ将軍はエリを目にした。

「む?何者だ!」


「これから死にいく者に名乗る名はないのじゃ」

エリはオリハルコンの竜型ガーゴイルのドラガと一緒にいた。


「魔抜けでは無い様だが、この落とし穴の首魁とみた。許さんぞ」


ゲンサイ将軍は詠唱し催眠魔法を周囲に放った。


ゲンサイ将軍の催眠魔法は、催眠状態にした者を自由に操る事が出来る。


エリは魔法障壁を展開し、催眠魔法を防いだが、ゲンサイ将軍は周りの兵士に催眠魔法を放っていた。


催眠状態の兵士達は立ち上がる。


痛みを感じず、潜在能力を全開にした催眠状態の兵士達が、エリを取り囲んだ。

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