第179話 VSキングライオン
学園都市の巨大ダンジョン最深部にある、ダンジョンマスターの部屋に到達した俺達。
マスターのキングライオンは6本の腕を振り上げ、雪女のユキを襲ってきた。
「私でありんすか」
ユキは驚いた様子もなく、冷静にキングライオンを見ていた。
キングライオンの爪がユキに迫る。
「百裂獣爪!」
キングライオンは自己最大の攻撃を発動し勝負を掛けた。
ガキッ!ガキッ!ガキガキ・・・。
ドゴオオン!
ユキの目の前に極厚の氷の壁が出現し、キングライオンの捨て身の大技を阻み、勢い良く飛び掛かったキングライオンは、氷の壁にしたたかに頭をうった。
「いてて・・・」
涙目のキングライオンは、辺りを見回す。
「あ!」
ダンジョンコアを手にしてるケット・シーのペロが見えた。
「これを取れば勝ちだにゃ。取ったにゃあああああああ!!」
「か、返せええええええ!」
キングライオンはペロに飛び掛かる。
俺はキングライオンの背後から後頭部に手の平を当てて、俯せに倒した。
そして「生命力吸収」を発動。
「ぐあああああああ!」
暴れるキングライオンの頭を床に押し付ける。
「ひぃ」
生命力が多いなぁ、時間が掛かりそうだ。
「ひゃ、ひゃめて、くらはい」
キングライオンは涙目で震えている。
「た、たしゅけて」
なんか可哀想になってきた。
「ゆ、ゆるして、くらはい」
別に何かされた訳でもないしなぁ。
ダンジョンバトルが急に始まっちゃったんだけど、一方的に宣戦布告した様なものだし。
「分かった、許す」
俺はキングライオンの後頭部から手を離した。
ふうふう。
四つん這いで息を切らすキングライオン。腕が6本だから八つん這い?
「このダンジョンコアは貰うけどね。殺すのは止める」
俺はペロからダンジョンコアを受け取ると、ダンジョンマスターの登録を実施した。
これで百獣迷宮も俺の物になった。
「あ、ありがとう御座います」
「お前は、俺の配下になるって事で良いのかな?」
「は? ・・・はい」
「んじゃここのダンジョンの管理は引き続きお願いしようかな?」
「・・・え? おお、ありがとう御座います」
「俺の名はショータだ。お前の名前を教えてくれ」
「名前は無いです。種族はキングライオンです」
「ふ~ん。キングライオンねぇ。んじゃ、名前はキンにする。キンちゃんだな」
「は? はぁ」
あまり納得はしていないようだが、もう決定した。
鑑定で見ても既に名前はキンになってるし、良いだろう。
「ところで、このダンジョンの名前は何だ?『学園都市の巨大ダンジョン』は長くて言い難い」
「ひゃ、百獣迷宮です」
「ほう、それで獣系のモンスターが多かったんだね」
「はい。ところでダンジョンのモンスターが、ほぼ倒されていなくなったんですけど・・・。DPもダンジョンバトルで無くなりまして・・・」
「ああ、倒しちゃったからね。取りあえずDPが貯まるまで、スケルトンとヴァンパイアを残しておこう」
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