第178話 最深部到達

学園都市の巨大ダンジョンの、地下10階に接続したショータのダンジョンに、ヒュドラが侵入して来た。


迎え撃ったのはドラゴンのドラムと、ヴァンパイア真祖のヴァラカ。


鵺のライヤが宙に浮かび、様子見をしている。


「儂にヒュドラの九つの首を、一気に斬り落とすスキルはないな」


ドラムは首をヒュドラに噛みつかれているが、特に気にもならないようだ。


ヒュドラの頭はドラムの頭と比べると、かなり小さいので、牙も小さい事から、太い首に噛みつかれても、表皮にしか刺さっていないのだろう。


「我参戦」

ライヤが前に飛んできた。


ゴロゴロッ!ドッシーン!

ライヤの雷撃がヒュドラに直撃。


雷撃で麻痺して動けないヒュドラに、ヴァラカの黒い影が飛び掛かる。


「ブラッドソード!」


ヴァラカの血で作られた刀身が極端に長い刀が9回煌めく。


ズシュッ!ズシュッ!ズシュッ!ズシュッ!ズシュッ!ズシュッ!ズシュッ!ズシュッ!ズシュッ!


ドッシーン!ドッシーン!ドッシーン!ドッシーン!ドッシーン!ドッシーン!ドッシーン!ドッシーン!


ヒュドラの九つの首が再生する間もなく、一瞬の内に斬り落とされた。


ズダアアアアアン!


倒れ落ちるヒュドラの身体。


「おお!流石、ヴァンパイア真祖の力」


斬り落とされたヒュドラの首一つが、ドラムの首に噛みついたまま揺れている。


プラン、プラーン。


「みんな!さあ解体だ!」


ヴァラカの号令で退避していた気功士達が、解体ナイフを手にして、ヒュドラの亡骸に殺到した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


巨大ダンジョン最深部。


「な、何と言うことだ!ヒュドラがあっさり死におった。ば、馬鹿な。残りのDPをつぎ込んで召喚した最強の龍種だぞ!ドラゴンだって殺せるはずなのに・・・」


ヒュドラの目を通して、戦いを見ていたダンジョンマスターのキングライオンは、驚き戸惑う。


「ヴァンパイア真祖だと!そんな大物が何故ここに?」


ドッゴオオオオン!!


その時、最深部にあるダンジョンマスターの部屋の扉が蹴り壊された。


「おお!ここだ、ここだ」


部屋に入って来たのは、ショータ、エルフのエリ、ハーピーのハルカ、ダークエルフのダルア、雪女のユキ、空狐のクーコ。


そして秘かに、俺の影にケット・シーのペロと、エリの周りに風となっている魔神パズズのバズがいる。


「き、貴様らあああ!ここまで来たのかあああ!」


キングライオンは目を見開き、身構えた。


ダンジョンのマップ機能で確認した際、1番魔力が高かったのは雪女のユキ。


キングライオンはターゲットをユキに絞った。


1番魔力がある敵を倒せば、後はビビって動かないはずだ。そう思った。

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