第154話 勇者パーティーの考察
俺達はドラムに乗って空を飛んで逃げた。出来るだけ町が無い人が住んで無さそうな山や森の上空を飛ぶ。
「追っ手はいないな?」
俺は気配探知の範囲を最大限に広げて確認した。
「いないにゃ。魔力も音も無いにゃ」
ペロも魔力探知、音探知等で確認したらしい。
「この辺りで休憩しよう」
俺は森の中に飛び降りた。
空歩のブーツがあるので問題ない。
シャルさん以外は俺の後から飛び降りる。
シャルさんもちょっと戸惑ったが、飛び降りた。
大丈夫か?
3回転して両手両足で着地。
流石ケット・シーで『雷猫』の妹だ。
ドラムが小鳥サイズになって降りて来た。
ドラムも分かってるねぇ。
あの巨体で森に降りたらバレバレだ。
俺はダンジョンを展開して中に入る。
仲間たちもダンジョンに入ってきた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ダンジョン内の応接室。
一段落したので、皆に勇者パーティーと魔王軍について、感想を聞いてみよう。
「勇者パーティーと魔王軍はどうだった?」
始めにエリが答える。
「妾の仇の3人は、妾とパーティーを組んでいた時より、腕を上げていたのじゃ」
「あの戦場で魔王軍の魔物達を倒してれば、レベルも上がるだろうね」
生半可なレベ上げでは、追い付かないかもな?
「広範囲の強力魔法と凄まじい剣撃だったのじゃ、しかしあの3人は主様には問題ないじゃろう。いつもの様に気配を消して『
「そ、そうだね」
聖女と聞いて一瞬ドキッとした。
「あの距離で此方を探知するとはのぅ」
ここでヴァンパイアアルケミストのヨシゾーが答える。
「あの距離からだと、魔力探知等の探知系のスキルはあり得ません。恐らく、第六感等の五感以外のスキル」
「うむ。そうじゃのぅ」
「じゃあ、気配を消してもバレるって事か」
「えー! ヤバイじゃん」
ハルカがそれを聞いて声を上げる。
「まあ、勇者パーティーは魔王と戦うまでは手出ししないつもりだったからね。それまでに何とかする方法を考えよう」
「そうじゃのう」
「えええええ、何で何でー?」
ハルカが俺を見詰める。
「勇者が魔王討伐前に、勇者パーティーを倒したら、俺達で魔王討伐をする必要があるかもだからさ」
「むむ、確かに、そーかも」
「魔王が必ずしも悪とは、限らないので、調べる必要があるけどね」
「え? 悪でしょー。世界征服を企んでいるんだよー」
「人族だって、人族による統治を望んでるんでしょ。人族が魔族や亜人の下につく気は無いと思うよ」
「そーかも、だけどー・・・」
「まあ、その辺りもおいおいね」
モヤジーを見る俺。
「頼むよモヤジー」
「わ、分かったぜ。しかし魔王軍の情報はハードルが高いぜ」
「ところでユキ、ザイガスはユキやバズを召喚した奴じゃ無かったかい?」
「違いんした。召喚した奴はエルダーリッチじゃありんせん」
「そっかぁ。ヨシゾー、魔王軍で召喚魔法に詳しい奴を知ってるか?」
「魔王軍四天王のガルダムですね。魔族で魔王軍の中では、ナンバーワンの召喚魔法使いです。ヘカントケイルもガルダムが異世界から召喚した亜神の1柱です」
「そいつが怪しいな。これもモヤジー案件だぞ」
「え? それはちょっと荷が重すぎるぜ」
「『暗黒の怪奇』のヴァラカに相談して進めてみてくれ」
「はぁ、しょうが無いぜ。但し、あまり期待しないで欲しいぜ」
「分かった。機会があれば此方でも探ってみよう」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます