第144話 ヴァンパイア1

俺は仲間達と『暗黒の怪奇』の根城である古城跡に襲撃に来た。


先行して俺とケット・シーのペロが、連れ去られた魔抜けの人達の救出に向かった。


気配を消して、古城跡に侵入したが、魔抜けの人達は見つけられない。


「魔抜けの人達はいないにゃ」


「うん、おかしいね。ヴァンパイアばっかりだ。ハルカの仇、スッケベンらしき人も居ないしなぁ」


「地下には凄い魔力の奴がいたにゃ。あいつは危険にゃ」


「そうだね。でも魔抜けの人達の気配は無かった」


ヴァンパイア達に見つからない様に隠れながら歩く。


「見つかるかも知れないが、此処をダンジョンにしちゃうか?ダンジョンにしちゃえば、中にいる者は全員把握出来るはずだ」


「そうだにゃ。エリ達が陽動で襲撃を開始しちゃうにゃ」


誰もいない、多分物置の様な部屋に入り、古城跡全体をダンジョン化する。


迷宮創造ダンジョンクリエイト


一瞬の内に古城跡をダンジョン化した。


「やばいにゃ。強い魔力の奴がこっちに向かって来るにゃ」


「バレたみたいだね。ずらかるか」


俺は気配を消しているのを確認し、急いで物置を出た。


強力な恐ろしい気配が、地下から階段を登って来る。


慌てて別の部屋に隠れる。


扉の外の廊下を凄い勢いで何か過ぎ去った。


「此処のボスかにゃ」


「ちょっと待って、ダンジョンの機能で確認しよう」


種族:ヴァンパイアナイト

名前:ヴァース


「げっ、ヴァンパイアナイトだって」


「強いのかにゃ」


「相当強いよ」


「どうするにゃ」


「う~ん。他には・・・」


ダンジョンの機能でダンジョン内にいる者を見てみよう。


「人間は1人も居ない」


「1人もかにゃ?」


「うん、ヴァンパイアは、いっぱいいるんだけどね・・・」


ヴァンパイアがいっぱい?

人は居ない?


適当に何人かダンジョン機能で名前を確認する。


「ヴァンパイアは、皆名前があるみたいだ」


「どういう事にゃ」


「多分・・・。魔抜けの人達はヴァンパイアにされたんだと思う」


「えええええ!遅かったにゃ」


「多分ね。確認は必要だ」


「そうだにゃ」


「それから、さっきのはボスじゃ無さそうだ」


「うん、地下に凄い魔力の奴が、まだいるにゃ」


ダンジョン機能で地下の奴等を確認したら、4人のヴァンパイアがいた。


種族:ヴァンパイア真祖

名前:ヴァラカ


種族:ヴァンパイア

名前:スッケベン


種族:ヴァンパイアナイト

名前:ヴァンリ


種族:ヴァンパイアアルケミスト

名前:ヨシゾー


「げっ、真祖がいるよ。それとスッケベンも・・・」


「真祖?」


「吸血鬼の始祖だね。吸血されて吸血鬼化した者ではなく、初めの吸血鬼と言われているよ」


「強そうだにゃ」


「強いだろうね。真祖は置いといて、真相を探る為、取り敢えずヴァンパイアを1体狩ろう」


「分かったにゃ」

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