第143話 また古城跡
ニャルマル商会の副支店長マリさんは、誤解から俺に無礼な態度を取ってしまった事で、1年間給料減額の上、1週間の自宅謹慎となった。
本人は辞表を持って平謝りだったんだけど、俺が許した。
気功士の女性達は、「ショータ様の奴隷になります」と言ってたけど、冒険に連れて行けないし、それなりに責任も出て来て、かえって面倒なので、当面無給で働く事になった。
ここから追い出されると、死活問題なので、何とか置いて貰える様、彼女達も平謝りだった。
彼女達の中には「性奴隷にして下さい!喜んで奉仕します」と言ってた人も居たけど、それもちょっとね。
まあ、それは置いておいて。
魔抜けの人達を、冒険者達に依頼して集めていた、スラムに住む薬師ヨシゾーの調査をペロとモヤジーに頼んだ。
案の定、薬屋は既にもぬけの殻だったが、流石モヤジー、居所を突き止めた。
王都の外にある、古城跡を根城にしており、新興の闇組織『暗黒の怪奇』に所属しているらしい。
また古城跡かぁ。
この大陸は古城跡が多いのかねぇ。
この組織は闇ギルドにも加盟していない、得体の知れない組織。
資金源は不明で、闇ギルドの組織が何度か襲撃したが、返り討ちにあって、今や手出し出来ない実力がある。
その後、古城跡についてポンペ侯爵に確認した。
持ち主は今はいない為、王家の所有地になっている。
所有者がバックにいる可能性を疑ったが、そこから情報を得る事は出来ず。
言わば不法占拠の状態。
至急古城跡とその周辺の土地を、侯爵に購入させた。
まあ、ポンコツの侯爵は不安なので、実質は側近のポドスに処理させたけどね。
侯爵の地位は無理強いが出来るので、便利に使います。
これで、俺の土地と言っても過言では無い。
と言うわけで、『暗黒の怪奇』の根城である古城跡を、襲撃する事にした。
俺の土地に勝手に住みやがって!と言う大義名分が出来た訳だ。
俺以外のメンバーは・・・。
『疾風』エルフのエリ。
『風刃』ハーピーのハルカ。
『闇猫』ケット・シーのペロ。
雪女のユキ。
魔神パズズのバズ。
ドラゴンのドラム。
つまりメンバー全員だよ。
因みにサラマンダーもいるけどね。
エリの魔法扱いだ。
月明かりの中、古城跡を目指し森を進み、古城の三角屋根が見えるところまで来た。
シュッ!
エリが突然矢を放つ。
バシュッ!バシュッ!
矢が刺さり蝙蝠が2匹落ちてきた。
「蝙蝠の魔物じゃ」
「食べられ無さそうだね」
とハルカ。
「眷族の様でありんす」
ユキが蝙蝠の魔物の死骸を見ている。
「うむ。監視かのぅ」
「見つかったのか?」
俺はエリに聞いた。
「いや、見つかる前に仕留めたので、こちらの情報は知られていないはずじゃ」
「でも、魔物を倒した事は認識されたにゃ」
ペロが俺の影から顔を出し、魔物の死骸を影にしまう。
しっかり者のペロ。
「そうじゃのう」
「まあ、仕方ない。先に進もう」
俺達は更に進む。
「ちょと待つのじゃ!」
エリの言葉で俺達は歩みを止める。
「どうした?」
「かなり強力な魔法の結界じゃ」
「魔法の結界?」
「バズなら壊せそうだ、壊せば侵入は完全にバレるが、どうするかのぅ?」
「俺には認識出来んが、どんな結界だ」
「魔力を検知して、発動する術式の様じゃ」
「と言う事は・・・。俺が気配を消せば、検知されないで、侵入出来そうだね」
「うむ。そうじゃのう」
「アタシもショータの影に潜めば、大丈夫そうだにゃ」
「多分、大丈夫じゃろう」
「分かった。俺とペロが先行して、魔抜けの人達を探す。皆は30分後に堂々と襲撃してくれ」
「厭な予感がするのじゃ。気を付けるのじゃ」
「確かに、蝙蝠の魔物に警戒させるなんて、普通の人間の組織とは思えないね」
「妾達は、陽動じゃな」
「そうだ。派手に暴れてくれ」
「了解じゃ」とエリ。
「僕も分かった」とハルカ。
「承知しんした」とユキ。
「承知シタ」とバズ。
ドラムは無言で頷く。
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タイトルは
『悪逆無道の異世界冒険記』
URLは
https://kakuyomu.jp/works/1177354054893659463
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何卒、応援の程、
宜しくお願い申し上げます。
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