第106話 キャルが誘拐された

俺は酒場で情報収集を終え、殲滅の旅団の冒険者パーティーを軽く倒した後、猫が安らぐ宿に着いた。


部屋に入ると既に皆揃っていた。


黒猫のケット・シー『闇猫』ペロ。

エルフ『疾風』エリ。

ハーピー『風刃』ハルカ。

ダークエルフの転生者ダルア。

雪女のユキ。

ドラゴンのドラム。

ヌエのライヤ。

空狐のクーコ。


ん? 魔神パズズのバズと・・・。


保護した魔抜けのキャルがいないな?


なんか様子がおかしい。

皆ヒソヒソ話していた様だ。

俺がドアを開けると。


皆一斉に振り向いた。

「どうした?」


「ショータああああ! ごめんなさい、ううう、キャルが攫われたあああ」


ダルアが涙を流して抱きついて来た。


え!なんだって!

お、落ち着こう。

スーハースーハー。

「状況を教えてくれ」


「ダルとキャルが買い物をする為、外出したんだ。ちょっとだけ・・・、直ぐ戻るつもりだった」


「それで?」


「ちょっと目を離した隙にいなくなった。周辺を探したけど見つからなかったんだよ」


「二人だけで外出? ドラムかライヤは同行しなかったの?」


「ドラムが一緒だったんだけど。」


「主様、申し訳ない。儂も屋台の串焼きを食べていて気付かなかった」


「しょうが無いなぁ」


エリが手紙を渡してきた。


「宿にこの手紙が届いたのじゃ」


『魔抜けの娘は預かった。明日の夜、都市の北にある森の古城跡で待つ』


「ふむ・・・」


俺はちょっと考える。


どうしよう?

明日まで待つ必要が無いな。

今から森に行って襲撃だ。


「ところで、バズはどうした?」


「バズは冒険者ギルドに置いてきたのじゃ」


「そうか。これから北の森に行く事にする。バズを呼んでくれ。その前に、皆が調べてきた情報を共有しよう」


「分かったのじゃ。バズは念話で呼び戻すのじゃ」


それぞれの出来事を共有して、初めはエリとユキが話し始めた。


エリとユキは冒険者ギルドで冒険者達に襲われて撃退。


撃退というか惨殺だね。


「お許しなんし、無礼なやからが襲って来て、つい・・・」


「しょうが無いよ。そいつらが悪いんだ。俺も酒場で殺しちゃったし」


「え!主様もでありんすか?」


「そうそう、冒険者がいきなり剣で斬ってきた」


「うはぁ、身の程知らずの奴等だね」とハルカ。


その時聞いた情報をで皆に教える。

噂程度の情報だけどね。

街の噂も馬鹿には出来ない。

案外真実が隠されてたりするからね。


ハルカの仇である虎獣人『白虎』のタイガのパーティーは周辺都市を回っていて、王都にいない。


殲滅の旅団は団員を募集して人数を急激に増やしている。


殲滅の旅団は魔抜けの人達を数十人囲っていて、性奴隷と戦闘奴隷とし、戦闘奴隷は爆弾持たせて特攻させる。


「酷い!」

ダルアは顔を伏せる。


「エリ、魔力探知で魔力が無い事から魔抜けとバレた。魔道具で何とかならない?」


「そんなことがあったんじゃな。何とか考えてみるのじゃ。」


「アタシは殲滅の旅団の拠点を調べたにゃ。魔抜けの人達は拠点の地下にいたにゃ」


次はペロが調べた情報を共有する事にした。

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