第68話 猫の王国と敵対した

スタンピードから王都を救った俺達は、王宮前でリッチ達を倒した後、ドラムに乗って猫が安らぐ宿に来た。


昼食を食べるのだ。


ドラムが中庭に降り立つと俺達の部屋の執事ダルクさんとメイドのメルさんが出迎えてくれた。


「ショータ様、お待ちしておりました。お食事は部屋で召し上がられますか?」

「部屋で食べよう」


ダルクはメルに指示すると、メルは厨房に向かって走り出す。


俺達はドラムから降りると、宿の建屋に向かって歩き出す。


ドラムが小鳥サイズになってふわふわと浮きながらついてくる。


ーーーーーーーーーーーーーーーー

宿の部屋には食堂もある。


食事は既に用意されており、食堂の椅子に座って食べ始めた。


宿ではニャルマル商会の料理部門と提携しておりハルカとダルアのお陰で数段美味しくなっていた。


昼食のメニューは・・・。

「え?カレーライス!」


ダルアは得意気だった。

「まだなんちゃってだけどねー」


「米があったんだね」


「そうそう、東の果ての国から輸入したらしいよー。ダルもビックリだよー」


「米は手に入れたかい?」


「もっちろーん!アイテムバッグに大量に入ってるよー」


「日本の食事が食べられるね」


「うんうん。醤油と味噌も見つけたよー。昔、勇者の指導で作られたんだって、転移者に必ず言われるから用意してるらしいよー」


「おー!この都市を出ても和食が食べられるんだね。」


そこに、執事のダルクが入ってきた。

「ショータ様、王国の衛兵隊がショータ様とペロ様に会わせろと言って、押しかけて来ました。どういたしますか?」


「宿に迷惑になるだろうから食事をしたら会おう」


「承知しました」


食後、衛兵隊を待たせた応接室に行った。

ペロ以外の仲間達も同行した。


応接室に入ると・・・。

「遅い!国王陛下の使者を待たせるとは無礼である!」

狐目の衛兵隊小隊長ホクシンと5名の衛兵隊がいた。


「こちらの都合もあるだろう。急に来て遅いと言われる覚えは無い。本当に国王の使者なのか? 用件はなんだ?」


相手が始めから喧嘩腰だったので、ちょっとイラッとした。売り言葉に買い言葉だ。


「なんだ、魔抜けの癖にちょっと活躍したら英雄気取りか、これが国王陛下の使者の証拠だ!」


ホクシンは得意気に国王の証書をテーブルに置くと俺を睨み付けた。威圧してるつもりらしい。


俺は証書を手に取るが、見ても分からんので、ペロに渡す。


ペロも分からないらしく同行してた執事ダルクに見て貰ってた。


「間違いありません。国王陛下からの書状です」


「どうだ!頭が高いぞ。伏して控えよ。国王陛下が貴様を特別に王宮で謁見する事を許可された。着替えて直ぐに王宮へ来い。」


用件を伝えるとホクシンは部屋を出ようとした。


俺は大声を出した。

「断る。国王に言っておけ!」


ホクシンは俺を振り返り今にも殺しそうな怒りの目で睨んだ。


「馬鹿者!魔抜けごときが陛下にお目通り出来るだけでも畏れ多いのに、断れるはずがなかろう!腕尽くで引っ捕らえても良いのだぞ」


「俺はこの国の民では無い。この国の事情は知らん。どうしても連れていきたいなら引っ捕らえてみろ!」


「な・ん・だ・と!こいつらを引っ捕らえて王宮に連行しろ!」


衛兵達が俺達に向かって来た。俺は先頭の衛兵の両脚を指弾で撃ち抜いた。衛兵は勢い良く転げる。


ペロもそれを見て影槍を衛兵の両脚に突き刺す。


エリも矢を衛兵の両脚に放つ。

ハルカも手加減した風刃で両脚を切る。

ダルアも銃で両脚を撃った。


5人の衛兵は全員両脚を傷付けられて立ち上がれず、痛みで呻き脚を押さえている。


「き、貴様ら!な、何をする。王国に歯向かうのか!ただですむとは思うなよ!捕まえて磔にしてやる」


「お前等から喧嘩を売って来たんだろう。良いだろう、光猫と風猫、土猫、水猫は見逃そうと思ってたが、その喧嘩買ったぞ。闇猫の仇だ、受けてやる。光猫にそう伝えろ!」


俺は気を込めてホクシンを威圧した。


「ひ、ひぃ」


ホクシンは尻餅をつき、股間が濡れていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る