第67話 国王を無視して帰った

俺は猫の王国の王宮を襲撃していたリッチを倒した。


近くにドラゴンのドラムが上空より降りてきて、仲間達もドラムの背中から降りてきた。


『闇猫』ケット・シーのペロ。

「リッチ以外は倒してもいいにゃ」


『疾風』エルフのエリ。

「アンデット達は任せるのじゃ」


『風刃』ハーピーのハルカ。

「速く倒してご飯を食べに帰ろう。僕はお腹が空いたよ」


ダークエルフのダルア。

「ダルも倒すよー」


ドラゴンのドラムは小鳥サイズになって飛翔しダルアの肩に止まった。


仲間達はリッチと一緒に王宮を襲っていたアンデットの魔物達を倒す。


ペロが影に沈み、影移動でリビングアーマーから魔石を抜いて廻る。


エリが矢でデュラハーンの核を撃ち抜く。


ハルカが空を舞い、風刃でデュラハーンとスケルトン達を切り刻む。


ダルアが銃でスケルトンを撃ち抜く。


サイクロプスと戦っていた土猫と水猫も参戦した。


土猫は岩弾ロックバレットの魔法でアンデット達を押し潰す。


水猫は超水流ウォータージェットでデュラハーンを切る。


光猫、風猫、雷猫も掃討に参戦。


光猫の光線ライトビームの魔法がアンデット達を貫く。


風猫の風刃ウィンドカッターの魔法がアンデット達を切り裂く。


雷猫の雷撃サンダーボルトの魔法がアンデット達に放たれた。


俺は迷宮核ダンジョンコアを伸ばして、死んだ魔物達をDP変換していった。


程なく、アンデット達は掃討された。


ハルカが俺の前に飛んで来た。

「帰って食事にしようよ」

「そうだね」


ハルカ以外の仲間達も集まる。


シャルさんの兄で猫が安らぐ宿のオーナー雷猫が俺に声を掛けて来た。

「ショータさん、王国を救ってくれて有難う。宿に食事は用意してるよ」


ハルカと俺の会話を聞いていたのだろう、食事の話をしてくれた。

「お、有難う。お言葉に甘えるよ」


俺達は大きくなったドラムの背中に乗った。


猫の王国の国王である光猫と宰相の風猫が俺達の元に駆け寄る。


「儂は猫の王国国王ライルだ。この度のスタンピードの対応の助力について感謝する。そのほう達の・・・」


俺はペロを見る。

どうする?って聞いたつもり。


ペロは首を振り宿の方向を見る。

国王の誘いは断って宿に急ごうって言ったと思う。


王の言葉の途中でドラムに言った。

「行くぞ!」

「承知」


ドラムは飛び立った。


国王が何か言ってるが無視だ。

「・・・王宮で褒賞を・・・!」


「おい、国王のお言葉の途中で何処に行く!」

宰相の風猫が叫ぶが、既にドラムは上空高くにいた。


王国騎士隊隊長の土猫が雷猫のライガに話し掛ける。

「ライガ、奴等は知り合いか?」

「知ってる」


「黒猫は闇魔法を使ってたが・・・」

「想像の通りだよ。新しい闇猫だ。前闇猫シュガの娘だ」


「そうか、シュガの娘か・・・。」

「シュガより魔力は上だ。何処で修行したのか、苦労したのだろう。」


国王ライルは宰相風猫を向いて。

「風猫ウィラよ、あの者達を王宮に連れて参れ。この国を救った英雄達だ。お礼をしなければいけないぞ。出来れば対魔王軍の協力体制もとりたい」

「畏まりました」


土猫が光猫に話し掛けた。

「国王、あの者達の中に居た黒猫は新しい闇猫でシュガの娘だそうです」


「シュガの娘か!・・・。なる程、それで何も言わず立ち去ったのだな。それでは尚更王宮に招待せねばなるまい。王国の危機を回避するためとは言え、闇猫シュガを殺し、マロンと炎猫ファイガの企みで村を犠牲にしてしまった事を詫びねばな」


国王ライルはドラムの去った空を見つめる。

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