第66話 猫の王国を救った。

迷宮『猫の穴』最深部。

地下100階。


俺は魔族マロンを倒した後、迷宮核ダンジョンコアに触れたら、迷宮管理者ダンジョンマスターになった。


現在、猫の王国はスタンピードの残勢力であるリッチとサイクロプスに攻撃されている。


救国の七猫の光猫、風猫、土猫、水猫が戦っているが、時間稼ぎにしかなっていない。


「魔族マロンの奴が、スタンピードを発生させたので、DPの残数が少ない。先ずはDPを取得しよう。」


俺は迷宮内部にいる魔物と魔物の死骸、魔族マロンの死骸をDPに変換した。


その後迷宮転移にて皆と共に迷宮1階の入口付近に移動した。


「あっという間に1階に戻ったのじゃ。」


そして、入口を出ると猫の穴の全てをDPに変換し迷宮を消した。


「炎猫と魔族マロンを倒したので、この国には用がない。人目についても良いので、一気に倒そう。」


ペロは頷く。

「OKにゃ。」


「ドラム、皆を乗せて最速でサイクロプスに向かってくれ。」


「承知した。」


皆はドラムに乗ると、ドラムは最大サイズになって飛翔した。


「サイクロプスとリッチは俺が倒すよ。」


「分かったのじゃ。」

「分かったにゃ。」

「分かったよー。」

「僕も分かったよ。」

「承知した。」


皆、了解した様だ。


ドラムは一気にサイクロプスの頭上高くに飛んで来た。


土猫が魔法で高い土壁を作成し、

サイクロプスとトロルの侵入を防いでいた。


水猫の超水流ウォータージェットがトロルの腕を切るが、見る間に回復していく。


水猫が水魔法をかなり使用した様で、辺りは浸水しサイクロプス達は足まで水に浸かっていた。


その状態で雷猫の雷撃が一閃。

魔物達は痺れて動きが緩慢になる。


雷猫も来てたのね。


俺はドラムの上から飛び降りると、左手をサイクロプスに向けた。


迷宮核ダンジョンコアが指なしグローブになった左手だ。


左手の迷宮核ダンジョンコアの一部が長く伸びる。


迷宮核ダンジョンコア自体で攻撃する事を過去の迷宮管理者ダンジョンマスターは思ってもみなかった様だ。


迷宮核ダンジョンコアの記録はそうなっている。


だが、俺は迷宮の機能と操作を覚えた時、強力な武器になる事を確信した。


だって、誰にも壊せない迷宮壁を自由に出せるんだよ。


利用しない手は無いよね。


迷宮核ダンジョンコアの一部を長い棒状に変形した、先が固く尖った形状の迷宮壁で出来ている。


機能スキル使用時のDPを増やして一瞬で変形させた。


迷宮核ダンジョンコアが伸びた先にサイクロプスがいた。変形した先端がサイクロプスに突き刺さった。


迷宮核ダンジョンコアは魔物と接触する事で制御下に置く、制御下に置けばDP変換可能。


一瞬でサイクロプスをDPに変換すると、同様に迷宮核ダンジョンコアを変形し周りのトロルもDP変換した。


俺はそのまま、気配を消し脚に気を込めてリッチの元に走った。


リッチの後姿が見えるが、こちらに

全く気付いていない。


リッチの周りはリッチの魔法の影響か、あちこちの家屋が破壊され、燃やされて、無惨な姿になっていた。


リッチは光猫と風猫と対峙していた。

光猫から魔法が放たれるが、リッチが相殺する魔法で、光猫の魔法は消えた。


俺はリッチの背後から左手の掌底で後頭部から張り倒す。


俯せになったリッチをDP変換した。


上空よりドラゴンのドラムが降りてきた。


驚き焦る国王光猫と宰相風猫。

「ド、ドラゴン!」

「今度はドラゴンか?」


雷猫が光猫の前に飛んで来た。

「大丈夫。リッチを倒した人の仲間のドラゴンですよ。」


「何、彼は何者だ。」


「本人から直接聞いてください。」

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